医薬品のネット販売はそんなに危険か!? テレビ電話も使わない時代遅れの規制改革会議に必要なのは「対面」ではなく「国際先端テスト」だ!

 アベノミクスは第一の矢は好調だ。筆者は第三の矢にあまり期待していないが、規制緩和には大いに期待している。特にインターネットを使ったサービスや制度を実現するための規制緩和、webがなかった時代の古い規制を新しい時代にあわせることは大いに賛成だ。ネットでの医薬品販売、遠隔医療、行政への届け出、インターネット選挙、遠隔教育などいろいろある。

 ところが、新しいものにはいつでも抵抗がある。インターネット関係のものを受け入れ難いものとするために、官僚がよく使うのが、「対面」という概念だ。

 筆者は税務の電子申告を利用している。この実現については10年以上前の企画当時に若干関わった経緯があるのだが、一歩づつ、ゆっくりではあるが着実に進んできたと思う。まだまだ改善の余地はあるが、いまでは前より税務申告は格段に楽になった。

 税務の電子申告では本人確認を住基カードで行うが、これは3年で更新しなければならない。わざわざ更新期間を設けているのは「対面」を要求する一例だ。最初に住基カードを作成する際の「対面」は理解できるが、住所など基本情報に一切変更がなくても、筆者の住む地域では更新時にも「対面」が要求される。そこで更新手続きのために役所に行ってみると、必要事項を職員が再入力するだけだった。とても「対面」が必要なこととは思えなかった。

規制改革会議が電話会議をやめた理由

 役人が「対面」を求めるのは、行政手続きだけではない。審議会はその典型だ。しかし、最近はいろいろな動きがあり、たとえば、産業競争力会議と規制改革会議で、テレビ・電話会議の扱いが違っている。

 産業競争力会議では、産業競争力会議運営要領に「議長は、必要があると認めるときは、会議の開催場所とは別の場所にいる構成員に対し、情報通信機器を活用して会議に出席させることができる」と明記されている。現実の会議運営としてもテレビ・電話会議がまったく支障なく行われている。

 一方、規制改革会議では、運営規則では特に明記されていない。もっとも1月24日の第1回では、長谷川幸洋委員が電話会議で参加した(この点は長谷川氏のコラムに書いてある)。

 ところが、2月15日の第2回目、岡素之議長(住友商事株式会社相談役)から、「規制改革会議では対面での議論を重視し、出張先等からの電話会議方式によるライブ参加は今後実施しないこととし、御欠席の場合は事前に意見を書面で提出いただき、他の委員の発言は後日公表する議事概要を御参照願う形とする」という発言があった。若干の質疑があり、電話会議方式は排除こそしないものの、原則として実施しないことが決まった。そして実際に、2回目以降は欠席者は紙で意見を出している。

 産業競争力会議にはネット企業の人がいるので両会議で差があるのかとも思ったが、もっと根が深いのかもしれない。実は、2月25日の第3回目の規制改革会議で、医薬品のインターネット販売規制の議論があったのだ。この種の議論で既得権者がいつも強調するのが対面販売の重要性だ。そのため、規制改革会議ではテレビ・電話会議を取り入れるのは都合悪かったのかと邪推してしまう。

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