キプロスの離脱を意識し始めたユーロ圏諸国
ATMから預金を引き出すキプロス市民 〔PHOTO〕gettyimages

 最近、フランクフルト在住のクレジットアナリストが、「ユーロ圏諸国は、キプロスの離脱を意識し始めたのではないか?」というメールを送ってきた。彼がそう考える背景には、ドイツやオランダなどの悲観的な世論や、ECB(ユーロッパ中央銀行)の厳しい発言などがある。

 特に、ECBはキプロスに対して、「信用力が低下した国には資金を貸し出すことはできなくなる」という一種の"脅し"をかけたことが大きいようだ。そうした"脅し"は、今までにもあったことだが、今回はECBもかなり本気になっているとの印象を持ったという。

 それが現実のものになると、ユーロ圏諸国でドミノ倒しのように信用不安が広がる懸念すらある。今後の展開によっては、そうしたリスクがさらに高まることも考えられる。その場合には、株式や為替などの金融市場が大きく振れることもあるだろう。ユーロ圏の情勢から、当分目が離せない。

ユーロ圏の南北の構造問題

 キプロス危機に対するドイツやオランダ国民の感じ方を見ていると、金額の多寡にかかわらず、キプロスがユーロ諸国から支援を引き出すのは容易ではないようだ。ドイツのショイブレ蔵相の発言を見ても、ドイツ世論の厳しいスタンスは明からだという。

 そうした厳しいスタンスの背景には、ユーロ圏諸国内の経済格差に加えて、文化的な違いがある。すべてを厳格にとらえることの多い北欧諸国と、物事を楽観的に見ることの多い南欧諸国の間には大きなカルチャーの違いがある。その違いをうめることは、口で言うほど容易なことではない。

 北欧諸国の国民感情からすれば、不正な資金の流入を許し、放漫経営を行って北キプロスに支援を与えることには忸怩たる思いがあるだろう。「キプロス自身の費用負担がなければ、ユーロ諸国はキプロス支援を行うべきではない」との考え方は分らないではない。

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