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特別対談 松本大×井上哲男
アベクロ・バブル100年に1度のチャンスがやってきた

世界が日本株を買っている

松本 今回の相場は、過去の上昇相場とはまったく性質が違います。デフレを容認していた国が、デフレをやめて緩やかなインフレを目指すというのは、ギアを1速から2速に入れるというレベルではなく、バックギアから前進ギアに入れるようなもの。つまり、日本経済の土台がガラリと変わるということです。これは過去のITブームで上がったというような相場とはレベルが違います。

井上 私もそう思います。特にその変化に早く気付いたのが、海外の投資家たちです。デフレ先進国だからと日本株投資に消極的だった人たちが、「日本は変わった。買い遅れるとまずい」と焦り始めた。日本株を持たないことが彼らにとって恐怖に変わったんです。

松本 私の知っている海外投資家たちも、「これは何十年に1度の相場だ」「いや、100年に1度の相場だ」と言っていますよ。しかも、最近すごいなと思ったのが、海外の「日本株ファンド」だけでなく、「グローバルファンド」までもが日本株を買いにきている。

井上 ポートフォリオの中で、日本株の組み入れ比率を上げていますよね。

松本 日本株を専門にしている日本株ファンドが買うのは当然ですが、世界各国の株に投資するグローバルファンドが、「日本株が足りない」と言って買っている。相場がフラフラせずにしっかりしているのは、こうした背景があるからです。

井上 今回の相場のポイントは、海外の投資家が「買い戻し」ではなく、「買い」に入っていることだと思うんです。どういうことかといえば、日経平均は'09年3月に安値をつけましたが、その後に日本株が上げる局面というのは、海外の投資家が「買い戻し」、つまりカラ売りしていた株を決算していたに過ぎないんです。それが、去年の12月中旬からは「買い戻し」が終わって、買い増す局面に変わった。海外の投資家による日本株投資が純粋な「買い」になったのは、'05~'06年以来のことです。

松本 現在の相場を指して、「期待感だけで株が上がっている」という指摘がありますよね。私はあれも間違っていると思うんです。

井上 というと。

松本 だって、ドル円相場というのは昨年11月中旬とくらべて、すでに18円近く安くなっていますよね。これは世界中で日本企業が作るあらゆる製品が、数ヵ月前にくらべて2割も安くなっているということです。強烈な競争力ですよね。しかも、トヨタ一社だけでも、1円円安になるだけで350億円ほど儲けが増える。自動車業界だけで約1000億円、18円円安となれば1兆8000億円くらい余計に儲かるわけです。

井上 ちなみに、東証1部上場企業全体の最終利益合計(見込み値・年度ベース)は13兆円ほど。そう考えると、1兆8000億円のインパクトは大きい。

松本 だから、アベノミクスの3本目の矢=成長戦略が実行されないと相場が続かないという議論がありますが、これも間違い。もちろん成長戦略というのは長い目で見れば必要ですが、いますぐに実現しなくても、現在の為替水準が続くだけで、日本企業は十分に国際競争力を戻すんですから。

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