「非炎上三原則を設けた」家入一真さん【第1回】
「月に2000万も飲み代に使っていた金が、2年で全部なくなりました」

[左]米田智彦さん(フリーエディター)、[右]家入一真 さん(Liverty代表、連続起業家/クリエイター)

辛いことは、ふざけて笑い飛ばすしかない

米田: 家入さんとちゃんとお話するのって、実は2年ぶりなんですよね。前回は「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」を立ち上げるときにインタビューとトークをやったんですよ。

家入: あぁ、そうでしたね。やりましたね。

米田: あれが2011年の4月ですから、震災直後でした。だいぶ状況が変わりましたね。

家入: そうですね。あの後CAMPFIREやStudygiftLivertyを作ったのですが、正直、僕はこれまで震災のことをちゃんと直視できなくて・・・。それで、よく、「家入は震災以後の文脈を捉えきれてない」みたいに批判されたりとかもして。でも、当時は全然ピンと来てなかったです。

米田: それは、どういう意味で批判されているんですか?

家入: うーん。単純に「震災の復興のプロジェクトをやれ」っていう意味でもないとは思っているんですけど・・・。

 僕自身が結構、今でもそうですけど、オールジャンルでいろんなプロジェクトをやっているので、ちょっと、おふざけもあったりするし、サブカル的なものもあったりするし。その中で、相応しい震災以後の方向性って何なんだろうと。CAMPFIREとしても何ができるんだろうと。それで先日、2年目ということで、3.11にあわせて現地をまわってきました。

米田: クラウドファンディングも日本で始まったばかりだったし、難しいところですよね。

 あのインタビューでは、家入さんともう一方、CAMPFIREの運営会社「ハイパーインターネッツ」代表の石田光平さんにも話をうかがったんです。石田さんは、それ以前は「農力村」っていう農家を支援するウェブサイトを制作・運営されていたので、その流れもあって、彼は「僕はCAMPFIREを使って社会貢献をやりたいんです」って言ったんですよ。

 すると、家入さんが「それはちょっと偽善すぎるよ。もっと、ふざけたやつ、おもしろいやつ、どんどんやろうよ!」みたいなことをおっしゃっていたのは印象に残っています。

僕らの時代のライフデザイン
著者: 米田智彦
ダイヤモンド社 / 定価1,575円(税込み)

◎内容紹介◎

近年、働き方や暮らし方が多様化するにつれて、多くの人が自分なりの人生をデザインし始めています。パラレルキャリア、コワーキング、独自の経済圏、DIYリノベーション、デュアルライフ、海外移住・・・。こうした働き方・暮らし方を一部の著名人、経済的成功者だけのものだと思っていないでしょうか? 実は、日本にもすでに多くのライフデザイナーたちが存在します。人生は「選択」と「意志」次第で、いくらでも自由に設計することができるのです。家やオフィス、家財道具を持たずに旅しながら暮らす生活実験プロジェクト「ノマド・トーキョー」から見えてきた、新時代の働き方・暮らし方とは。

家入: 言ってましたねぇ。「どんな辛いことでも、神妙な顔をして語るだけじゃ何も変えられない、ふざけて笑い飛ばすしかない」と思ってましたから。今でもそう思ってるかな。

 今は「被災地の食材の風評被害を食い尽くして飲み倒して笑い飛ばせ!」っていうイベントを企画してます。でも、その後、結果的に、僕が立ち上げた「Studygift」という学業支援のサービスが炎上したということがあって。あの後ぐらいから・・・いや、今もそうなんですけど、僕の方が割と真面目になってきているんです。むしろ逆転しちゃって(苦笑)。

 それで、TwitterとかFacebookで真面目っぽいポエムみたいな(笑)文章をたまに書くんですけど、「石田はどう思って見てるんだろう」っていうのをたまに考えたりしますね。

米田: あんまりその辺はお互いに話さないんですね。

家入: 立ち上げの頃は、それこそ「寝食を共にして」っていう状態でした。それはCAMPFIREに限らずなんですけど、何かを立ち上げる時って、本当に僕、ずーっとメンバーと一緒にいる。食って寝るまで一緒にいる、っていう感じなんです。

米田: 最近、立ち上げた「BASE」というサービスについても、「ずっと寝ないでやるのが、プロジェクトの立ち上げの面白さだ」みたいなことをつぶやいてましたね。

家入: そう、そんな感じなので、一応、僕もハイパーインターネッツの共同代表っていう形になってますし、今でも石田とは会いますけど、どっちかっていうと外向きというか、大きい案件とかは、僕のところに来たりするので、彼につないだりして。でも、もう実際の経営は、彼がほぼやっています。

米田: 家入さんって「連続起業家」って名乗られてますが、きっと「流れ」のようなものがあるんですね。

家入: 確かにあるかも。あんまり普段は考えてないですけど、それこそ2011年当時は、「Liverty」なんかやると思ってなかったですから(笑)。

米田: 家入さんとお話していた頃って、僕もちょうど「ノマド・トーキョー」を始めたばっかりでした。家入さんを始め、お会いする方に自分がやっていることをつらつらとよく話してたんです。でも、ノマドってもののイメージがその後変わっていくことまでは、予想できなかった。

家入: なんかね、僕はノマドを叩くっていうことの意味が分からなくて、何なんだろうなって。今でも思いますよ。僕自体は肯定派でも否定派でもないですけどね。

米田: 僕もこの2年でずいぶん心境は変わりました。当時とは真逆と言っていいぐらいかもしれない。楽観的でもなくなったけど、かと言って悲観的でもないというか。「人は好き勝手なことを言うものだ」という部分と、「でも、その中には耳を傾けるべきポイントもある」ということの狭間にいますね。

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