中国
習近平新主席が唱える「チャイニーズ・ドリームの実現」と「プーチンのロシア」との関係
〔PHOTO〕gettyimages

 習近平外交が始動した。3月22日から30日まで9日間にわたって、ロシア、タンザニア、南アフリカ、コンゴと、初外遊に出た。

 習近平が国家主席に選出された3月14日の午後、すぐにプーチン大統領から祝福の電話が入った。そのまま二人で"長電話"し、「史上最も友好な中露関係の構築」を約束し合ったのだった。

 国家主席になって、真っ先に話した指導者はプーチン大統領、真っ先に訪問した国はロシア、そして南アフリカでまた再会・・・。

習近平主席が目指す中国とは

 習近平という中国の「新皇帝」が、世界で一番見倣おうと思っている指導者は、きっとプーチン大統領に違いない。自分より1歳年上だが、同世代の指導者だ。かつ1999年に首相になって以降、14年間も隣の大国で強大な権力を保持し続けるプーチンは、習近平が密かに目標にしている指導者なのではなかろうか。

 換言すれば、習近平主席は、「プーチンのロシア」のようなチャイナ・ワールドを構築しようとしているということだ。

 「プーチンのロシア」とは、ロシア帝国の復活に他ならない。ロシアの現代政治が専門の中村逸郎・筑波大学教授は、新著『ろくでなしのロシア』で、プーチン政治を次のように評している。

〈 プーチン政治体制の特質を一言で表現すると、「卓越する統治能力を有する支配者」として民衆からの広範な支持を得た自分に権力を集中させ、その権力をもって中央から地方にまでおよぶ巨大な支配体制を敷くことにある。

(中略)民主主義はプーチン国家主権を確立するための政治手段なのだ。プーチンに結集する民衆のエネルギーが国家主権を支え、逆にいえば、国家主権を強化しない民主主義は偽物として切りすてられる。どこまでも民主主義は強いプーチン国家主権を確立していく運動ととらえられている。 〉

 この「プーチン」を「習近平」に置き換えると、そのまま習近平主席が目指す中国の青写真となるのではなかろうか。つまり、「習近平にとっての民主」とは、「習近平国家主権を確立するための政治手段」ということになる。習近平の中国は、日本人が期待している意味での「民主化」の方向には向かわないというわけだ。

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