比カジノ事業の疑惑が日本に飛び火!? 石原宏高代議士のファミリー企業に月100万円のコンサル料を支払ったUE社の思惑とは
平成23年6月1日の契約書
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 なんとも不思議な「コンサルティング契約書」である。

 平成23年6月1日に結ばれ、甲は石原宏高代議士の夫人が代表の有限会社IMS。乙は遊技機メーカー・ユニバーサルエンターテインメント(UE)の香港法人で、岡田和生UE社会長がサインをしている。

 コンサル契約なので、第1条は「委託業務」なのだが、委託内容が一切、書かれていない。乙の事業に必要な、「財務や経営に関する助言及び支援活動を行い、人脈を紹介すること」とあるのだが、乙の事業が何であるかがわからない。

乙が変更された平成24年6月1日の契約書
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 謎を解くカギは、24年6月1日、乙がUE香港法人からUE本社へと変わっていること。UE社の関係者が明かす。

 「コンサルは、フィリピンにおけるカジノ事業に関するものです。平成23年まではUE香港が担当でしたが、翌年から本社直轄の事業となった。そこで契約を切り替えた」

 UE社がフィリピンで展開しているカジノ事業の疑惑が、日本に飛び火した。

カジノを巡るUE社=岡田氏の"迷走"

 ここでUE社のカジノ疑惑を振り返ってみたい。

 そもそもの原因は、米で「ラスベガスのカジノ王」呼ばれるスティーブ・ウィン氏と、「日本のカジノ王」を目指して、ウィン氏のウィン・リゾーツに出資した岡田和生氏のケンカだった。

 1990年代後半、経営危機に陥ったウィン氏の窮地を救ってカジノ産業への足掛かりを築いた岡田氏は、ラスベガスを追い越したマカオにウィン氏とともに進出、ウィン・マカオを成功させ、絆を深めた。

 そこから岡田氏の"独り立ち"が始まる。カジノ産業に力を入れる比への進出を計画、08年、マニラ湾に面した土地を取得、カジノ事業の暫定ライセンスを受けた。

 ウィン氏は反発する。

 「ウィン・マカオの客を奪うことになりかねない事業を、なぜ単独で運営するのか。君には、カジノをひとりで運営するノウハウはないだろう?」

 ウィン氏のこんな問いかけを、岡田氏は無視。怒り心頭に発したウィン氏は、FBI元幹部のルイス・フリー氏が運営するフリー・スポーキン・アンド・サリバンに徹底調査を依頼、UE社が、カジノ免許の許認可権を持つ比政府高官らに対し接待を繰り返し、その金額が11万ドル(約946万円)となっていることを突き止めた。

 米には、外国公務員への金銭の提供や高価な物品の提供を禁じた海外不正行為防止法(FCPA)があり、UE社は米でアルゼ(UEの前社名)USAが、カジノ機器のライセンスを持つ。FCPAを理由にFBI(米連邦捜査局)が、捜査着手。世界で最も権威があり、厳格でも知られるネバダ州カジノ規制員会(NGB)が、調査に入った。

 昨年2月、ウィン社はその結果を公表、「問題があった」としてアルゼUSAの持つウィン・リゾーツ株を安値で買収、岡田氏を役員から下ろした。

 そこからUE社=岡田氏の"迷走"が始まる。比事業への疑惑の4,000万ドル海外送金が表面化すると、UE社は、アルゼUSA東京支社の幹部が「勝手にやったこと」として損害買収請求訴訟を起こすが、「送金は岡田氏も認識していた」と、『朝日新聞』が報道するなど、11万ドルにとどまらない巨額工作が明るみに出た。

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