富士通内紛で「反社会的勢力」にされた
ファンドの虚実虚偽の発表だった社長退任劇

2010年03月18日(木) 伊藤 博敏
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 たとえ刑事罰にはあたらなくとも、相談役が中心となって偽の情報で社長を解任したとすれば、重大な会社統治の欠落で、株主代表訴訟を起こされても仕方がない。

 一方、ファンドが投資家のものだとすれば、各国の税法、商法上の歪みを利用、利益を最大限にもたらすスキームを選択、実行するのは悪いことではない。もちろんMSCBを多用することからくるレピュテーションリスクはある。だがそれは、「投資家の為」という存在目的の前で解消される。

 では、ファンドがマネーロンダリング機能を含めて「反社」に利用されることはないか。

 疑わしきはある。例えば、川島氏が代表を務めた旧ジャレコ・ホールディングスである。一時、社長に倉田暁之氏が就任していた。この倉田氏の人脈に、旧グッドウィル・グループ(GWG)に絡むM&Aで100億円の利益をあげ、「謎の投資家」と呼ばれる緋田将士氏がいる。

 倉田氏は、緋田氏の所有株を処理する過程で総会屋とつきあったし、GWG関連銘柄となった東邦グローバルアソシエイツ(GA)で社外監査役を務めていた。

 倉田氏は「反社」ではない。ただ、GWGに絡むM&Aは脱税事件として東京地検特捜部が捜査している。その調べは東邦GAにまで及んでいる。

 ファンドの「えげつなく儲ける」という"使命"は、時に行き過ぎを生む。したがってトコトン調べれば、武井氏の先や倉田氏の先に「反社」が登場しよう。だからといって、ファンドが「反社」なのではない。

 むしろ、その危うさを利用した富士通経営陣の態度は、自らの行った「反市場的行為」と合わせ、十分に罪深いのである。

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