再放送でも高視聴率!? テレビ朝日の"ドル箱"『相棒』シリーズの強さとは
テレビ朝日のホームページより

 1月上旬にスタートした各局の連続ドラマがゴールを迎えようとしている。

 視聴率はどうだったのだろう? 平均視聴率を比べたところ、民放の新作はいずれもテレビ朝日の長寿シリーズ『相棒 season11』(2012年10月~)に敗れている。

 『相棒』の面白さ、完成度の高さは知られている通りで、いまさら説明するまでもないだろう。半面、敗れた新作ドラマも各局が自信を持って制作したものだ。どの連ドラも15~20%の高視聴率が取れると踏んでつくられる。最初から一桁台に終わると思ってドラマをつくる弱腰のスタッフなどいない。

 スポンサーだって、仮にテレビ局側から「視聴率はイマイチで終わるかもしれませんが、芸術性には自信があります」などと説明を受けたら、高い広告料を負担しないだろう。

コンスタントに高視聴率を稼ぐ"ドル箱"

 その良し悪しは別として、番組は基本的に見てもらうことがすべてなのだ。視聴率を専門とする研究者はこう話していた。

 「たとえば最終回で40%を記録した日本テレビの『家政婦のミタ』において、どんなCMが流れていたでしょう? 大半の人が思い出せないはずですが、それでいいのです。CMをどの番組で見たかは重要ではありません。どれだけの人に見られたかが問われるのです。

 もともとCMの主な役割は、商品を認知させ、商品を考慮集合(注: 買っても良いと思ってもらえる商品群)に入れてもらうことですからから、なるべく多くの人に見てもらうことが重要なのです」(同)

 視聴率よりイメージを気にするのは、特定のスポンサーが1社で提供し、番組に企業名が付く「1社提供番組」ぐらい。だから、税の申告漏れを指摘された板東英二氏が『日立 世界ふしぎ発見!』(TBS)の降板を迫られるのは必然だった。

 とはいえ、1社提供番組は企業側の負担が重く、テレビ局側にも制約が大きいため、減少の一途をたどっている。1998年に東芝が高視聴率番組『サザエさん』(フジテレビ)の1社提供を降りたのが象徴的だった。また、たとえ1社提供番組でも下限視聴率はある。民放というビジネスは、やはり視聴率が肝心なのだ。

 その点、『相棒』はコンスタントに高視聴率を稼ぐ。2002年に連ドラがスタートして以降、約半年おきに放送されてきたが、いずれも15%から20%以上のハイアベレージ。文字通りテレ朝のドル箱だ。

 費用対効果も抜群。通常、新作の連ドラで、主要キャストと脚本家が決まるのは、放送の約1年前だが、『相棒』はあらかじめ企画が固まっているのだから、準備期間は完成度を高めることに専念できる。

 スタッフもあらかた固まっている。主演・水谷豊の相方を務める刑事役ら共演陣には変遷があるが、キャスティングで頭を悩ませる苦労は新作ドラマに比べれば、はるかに少ない。

 成功の立役者はもちろん水谷豊だろうが、見逃せないのは制作を担当する東映の力量だ。他局も東映との付き合いはあるが、テレ朝との関係は格別なのである。

 東映は、テレ朝開局時からの大株主。現在もテレ朝の株を約16%持つ一方、テレ朝側も東映株を11%所有しており、持ち合いの関係にある。いわば血族の間柄なのだ。

 だから、東映は『特捜最前線』や『はぐれ刑事純情派』など古くからテレ朝の刑事ドラマを任せられ、その期待に応えてきた。

 長年の刑事ドラマ制作歴により、東映にはノウハウがふんだんにあり、熟練したスタッフがそろっている。『相棒』は脚本家だけでも常時10人前後をそろえていると聞く。東映の存在がなければ『相棒』はつくれなかっただろう。

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