被災から2年、壊滅的な打撃を受けた原町火力発電所を再建した東北電力の矜持とは
東北電力原町火力発電所 (以下すべて筆者撮影)

 一日も早く被災地に安定的に電気を届けて復旧・復興を支える使命がある---。

 東日本大震災からほぼ2年の歳月を経た先週14日。筆者は、東北電力が延べ120万の人手と1,700億円もの巨費を投じて、異例の短期間で再建した原町火力発電所を視察した。

 このルポルタージュで一番知っていただきたいのは、原町発電所が福島県南相馬市に位置することである。

 海岸沿いの原町発電所は18mの巨大津波に飲み込まれ、再建を絶望視されるほどの壊滅的な打撃を受けた。

 加えて、わずか26kmほど南には人類史上最悪の原子力事故を起こした東京電力福島第一発電所があり、屋内避難地域に指定されたために被害の特定作業もろくにできないという試練にもさらされた。採算だけを考えれば、何年かかけて、新しい発電所を建てた方がよっぽどおトクだったはずだ。放射能汚染に過敏になった陸運会社から資材の運搬を拒否されるほどの惨状だったのだ。

 それでも、東北電力は、被災地のために早期の電気の安定供給が必要だと判断、あえて困難な修理・復旧という道を選んだ。その心意気には他の電力会社が失っているライフライン(命綱)企業の矜持と使命感が息づいている。