第1部 東大は努力で入ってはいけないところです 大研究 ああ、東京大学 東大に入っても不幸な人、東大出たのに不幸な人

2013年03月20日(水) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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「かつて、博士課程に進むことは、それだけでひとつのステータスでしたが、完全に過去の話。たとえ博士号を取得できてもその先に就職口はない。『末は博士かホームレスか』という状況です。院生は増える一方なのに、大学のポストは増えないからです。

 東大が公表している博士の就職率は、ここ10年40%台で推移してきました。これは非常勤講師などの任期付き雇用も含めた数字なので、いわゆる正社員としての就職率となると、実質2~3割でしょう」

 一般企業の入社試験でも、東大生が無条件に歓迎される時代は終わっている。就活に2年連続で失敗した文学部卒の男性(25歳)のケースはこうだ。

「1年目は20社程度、就職浪人した2年目は50~60社ほど受けましたが、すべて落ちました。メーカーやITを中心に、とくに職種業態を選ばず有名な企業ばかりを回っていました。いわゆる大企業病というやつです」

 大企業病とは、親や地元の期待を背負って東大に入っているからには、聞いたことがないような会社には入れない、という東大生にはよく見られる就活傾向を指す。

 就活を諦めた彼は、なんといま「東大卒」という肩書を捨て、智弘カイというペンネームで成人向け漫画を描いて生計を立てようとしている。

「もともと趣味で絵を描いていたので、就活失敗を機に本気で練習して、同人誌という形にまとめてみたんです。ネットで委託販売してみたら、思いの外人気が出て、いくつかの出版社から声をかけていただいて、昨年7月に商業誌デビューに至りました。

 いまはまだ生活できるほど稼げていませんが、徐々に軌道に乗ってきた。しばらくは頑張ってみるつもりです。

 この仕事のネックは、せっかくの東大卒という肩書がまったく役に立たないことと、親に仕事を教えられないことですね(笑)」

 ひとたび手に入れると、親も容易に下ろすことを許さないその看板が、実社会ではさして役に立たないことを、東大生はいずれ知ることになる。

「週刊現代」2013年3月23日号より

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