「経常赤字」で日本経済が大変になる?

2013年03月24日(日) ドクターZ
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 次に、そもそも経常赤字とはなにを意味するのか、という点について考えてみよう。

 経済学の教科書をひもとくと、経常収支は「貯蓄投資バランス」に等しいと書かれている。詳しい説明は省くが、これは経常収支(黒字)は「対外債権を獲得すること」だという意味である。であれば、「国内貯蓄」=「国内投資」+「対外投資」なのだから、「対外投資」すなわち「経常収支」=「国内貯蓄」-「国内投資」となる。

 ここまでわかると、今後高齢化社会になって国内貯蓄が少なくなっていくと、経常収支が減って赤字になっていくだろう、ということも理解できるはずだ。だからといって、それが特に問題になるわけではない。

 一方で、「重商主義の誤謬」にかこつけて迷信を振りまく人たちは、「経常収支の赤字は、国内貯蓄で国内投資が賄えない状態なので、海外からの資金流入が必要になる」と語る。ここまでは正しいが、「そのため、財政赤字を海外にファイナンスしてもらうと、金利が上がったりして経済が大変になる」という話になると、首を傾げざるを得ない。

 経常収支赤字国であっても金利は経常収支黒字国とほとんど変わらない。これは世界のデータを見れば、明らかだからだ。

 要するに、経常収支が赤字になっても、まともな経済運営さえすれば、経済成長も金利も問題ない。経常収支赤字になって日本経済が危ないという人には気をつけたほうがいい。

『週刊現代』2013年3月30日号より

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