2013.03.21(Thu)

「三方一両得」「絞り込み戦略」など、経営戦略にわかりやすい名前を付けるのが好き。みんながわかる言葉で説明したいからです。

バッファロー 斉木邦明

週刊現代
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名古屋に本拠を置くデジタル家電周辺機器メーカー『バッファロー』。法人向けの各種ネットワーク機器を手がけるほか、個人向けにはパソコンや録画機向けのハードディスクや無線機器を製造・販売している。'04年から社長として同社を率い、いまも最前線に立って自ら家電量販店などに営業もするというのは、斉木邦明氏(64歳)だ

「三方一両得」「絞り込み戦略」など、経営戦略にわかりやすい名前を付けるのが好き。みんながわかる言葉で説明したいからです。さいき・くにあき/'48年、愛知県生まれ。'71年に愛知大学法経学部経済学科を卒業し、機械メーカーへ入社。'92年にメルコ(現バッファロー)へ入社し、品質管理マニュアルを作成するなどの手腕が認められ、翌年には生産部長へ就任する。その後、取締役などを経て、'04年5月より現職

ニッチ

 同じ商品が大量に売れる時代は既に終焉を迎えていると思います。今、売れるのは〝特長あるニッチ〟です。例えば、スマートフォンやデジカメで撮影した写真がいろんな機器にたまって収拾がつかなくなっている方って多いんじゃないでしょうか。そこで弊社は、たまった写真を無線やメモリーカード経由で保存でき、リビングのテレビでも見られる『おもいでばこ』というデジタル・フォトアルバムを出しました。インターネットにつないで、遠く離れた家族とも写真を共有できます。

 単にデータを保存するメモリーを大量に売るのでなく〝こんな使い方がしたかった〟というユーザーのニーズを探り出し、特長を持たせたんです。ちなみに『おもいでばこ』は中高年の方によく売れています。IT業界は長く右肩上がりでした。この間は、シーズ思考(技術が進化したら、その進化を種〈シーズ〉に新商品を出していくこと)でよかった。しかし、もうその手法は通用しない、と考えています。

時代感

 IT業界は長く右肩上がりでした。この間は、「シーズ思考」(技術が進化したら、その進化を種〈シーズ)に新商品を出していくこと)でよかった。しかし、今は時代が変わった、と考えています。

順風を往く

 マザーマシン(パソコンやデジタル家電)は、弊社の技術力でも作れますが、製品化しようとは考えていません。大手の家電メーカーさんと競合することになるからです。それより、弊社が得意とする記憶装置や無線を使った商品を作って、ニッチであってもその分野でシェアはトップ、という勝算のある戦略を立てたいんです。

テニス 大学入学後に始めたテニス。経験者らとともにプレーしていたため、周囲と腕前に差があって、練習では苦労したという。後列左から2番目が斉木氏

発想3ヵ条

 私は〝へそ曲がり〟です。いつも「世間一般と同じ発想をしたくない」と思っています。発想法は磨けますよ。無理といわれれば「そうかな?」と考える。「こうするのが当然」とされていることがあれば疑う。「100人いてもこう考える人はいないだろう」という結論を目指す。すると、アイデアが出やすい脳になると思います。

ヒラでいい

 弊社には、43歳の時に転職してきました。名古屋の老舗機械メーカーに勤め、役職に就く寸前だったんですが、バッファローへ転職していた後輩に「面白い職場ですよ!」と声をかけてもらったんです。

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