雑誌
いよいよどんづまりに来た
シャープそして出口はなかった

〔PHOTO〕gettyimages

 復活が囁かれたのも、ほんの束の間。韓国企業とのサプライズ提携が、賛否両論を呼んでいる。経営不安説も再燃してきた。アベノミクスに沸く市場から、ポツンと取り残された大企業の行く末とは。

とにかく液晶が売れない

「今回、サムスンがシャープに出資したのは、シャープが持つ『IGZO』という最新液晶技術が欲しいという思惑があるのでしょう。出資額は100億円程度ですが、これからさらに第2弾、第3弾の出資をしてくる可能性もあります。シャープがサムスンに呑み込まれる可能性はあるか。私は『ある』と思っています」(BNPパリバ証券投資調査本部長の中空麻奈氏)

 ついに日本の大手電機メーカーが、韓国勢の軍門に降るのか—。

 今月6日、衝撃的なニュースが列島を駆け巡った。昨年来、経営不振にあえいでいたシャープが、韓国・サムスンと資本提携を締結すると発表されたのだ。

 今回の提携の内容は以下のようなものだった。

●サムスン電子ジャパン(サムスン電子の日本法人)がシャープに約104億円を出資する。これでサムスンはシャープの第5位の大株主になる。

●シャープはサムスンに液晶パネルを長期的かつ安定的に供給する。これまでもシャープはテレビ用パネルを供給していたが、さらにこれを拡大したうえ、ノートパソコン用などのパネルも供給する。

●今回の提携によって、悪化を続けていたシャープの財務体質は改善。さらに、大口のパネル売り先を確保したことで工場の稼働率が上がり、業績悪化に歯止めがかかる見込みである。

 電機メーカーが海外の企業とこうした提携を結ぶのは珍しいことではないが、今回のように、テレビ、携帯電話などのマーケットで長年しのぎを削りあってきた最大のライバルとの提携というのは異例である。

 サプライズ提携の背景にはこんな事情があった。

「シャープは先月1日に発表した2012年10~12月決算で、5四半期ぶりに営業黒字を達成しました。これで、経営難に陥っていたシャープに復活への道筋が見えてきたと報じるメディアもありましたが、内情はぜんぜん違う。

 そもそも黒字化できた主な理由は、会計上のリストラ効果がでてきたからで、主力事業である液晶の売り上げが急激に伸びてきたからではない。シャープが発表した決算資料をよく読むと、通期の液晶事業の売上高の下方修正が書かれています。つまり、頼みの液晶は売れないと会社が自ら認めているんです」(外資系証券会社アナリスト)

 とはいえ、液晶くらいしか売るものがないシャープは、大口販売先を開拓しようと、経営幹部自らが足を運んで世界中の大企業に必死に売り込みをかけているが、色よい返事が得られないままである。そうした中で、サムスンがシャープの液晶を買い取ってくれるとなれば、「これに乗らない手はなかった」(同前)ということだ。

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