中国
「5代目皇帝」習近平国家主席の誕生で、まったく新しい「第2の毛沢東時代」を迎えた中国共産党
〔PHOTO〕gettyimages

 3月14日、習近平総書記・党中央軍事委員会主席が、国家主席に選出され、これで党・軍・政府の3権をすべて掌握した。文字通り、「5代目皇帝」が誕生した瞬間だった。続いて、翌15日には、李克強が国務院総理(首相)に選出された。これで「革命第4世代」の胡錦濤・温家宝時代は終わり、「革命第5世代」の習近平・李克強時代が始動した。

 一見すると、誰がトップを務めても変わり映えのしない一党独裁の共産党政権が延々と続いているように映る。だが実際は、胡錦濤から習近平への権力移行は、単に10年ぶりの政権交代というだけでなく、1970年代末に邓小平が改革開放政策を始めて以来、35年ぶりの大変動ともいえるのである。

メンツとプライドを重んじる北京っ子気質

 まず、習近平は胡錦濤とでは、4つの点で決定的に異なっている。第一に、毛沢東以降、初の北京人のトップである。これまで、毛沢東は湖南省、邓小平は四川省、江沢民は揚州(上海)、胡錦濤も江蘇省出身だった。

 中国では出身地というのは、日本とは較べものにならないほど、性格や気質に影響を及ぼす。何せ面積はEU全体の2倍以上あるのだから、北京人と上海人では、フランス人とドイツ人くらい違う。私は昨年までの北京勤務時代、約3500人の中国人と名刺交換したが、まずは出身地を聞いて名刺に書き込んでいた。

 胡錦濤の出身である江蘇人の特色は、真面目で細かくて、大胆不敵なバクチのようなことはやらない。賄賂を受け取る際にも、5%か10%くらいごまかして懐に入れれば満足するという気質だ。ただ、同じ江蘇省でも江沢民の故郷である揚州人はクソマジメな人が多い土地柄である。

 逆に北京っ子というのは、金も大事だが、もっと大事なのはメンツとプライドである。メンツを潰されると、損得関係なく怒る。

 中国は北朝鮮に対して、「核とミサイル実験は止めろ」と強く勧告したにもかかわらず、北朝鮮はどちらも強行した。それによってメンツを潰されたと判断した中国は、3月8日に、かつてない規模と範囲の国連安保理の対北朝鮮制裁に賛成したのだ。しかも李国連大使が「賛成しただけでなく完全に履行する」と宣言した。これこそは、北京人のやり方であり、胡錦濤時代にはあり得なかったことだ。

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