アベノミクスは現代版「赤壁の戦い」だった!? 風向きの変化を察知して盛大に火を放った安倍首相の作戦とは

 三国志の中に赤壁の戦いという有名な合戦があります。桶狭間の戦いのように火計による奇襲攻撃で、戦力的に劣勢にあった劉備・孫権軍が数の上で圧倒していた曹操軍を打ち破りました。

 この戦いでは、劉備・孫権軍が準備がほぼ完了していたにもかかわらず、ある条件が揃っていなかったために攻撃を開始できないでいました。それは、風です。風が自陣を向かって吹いているなかで火を放っても自陣を焼いてしまうだけで、それでは意味がない。作戦決行には曹操陣営側に向かって吹く東南の風が必要でした。

 そこで軍師の諸葛孔明が祭祀を行うことで東南の風を吹かせると宣言し、実際に東南の風が吹いたことによって、火計は成功をしました。三国志ファンなら誰もが知る有名なエピソードです。

 おそらく祭祀を設けて風向きを変えたというのはフィクションだと思いますが、物語というか、伝承によると、諸葛孔明は天文学や気象に通じていて、実はこの時期に東南の風が吹くことを熟知していたと言われています。

安倍首相が東南の風を吹かせたのか?

 なぜこのような話をするかというと、今回のアベノミクス相場はかなりこの「東南の風」に近いことが起きたと考えるからです。ここでいう「東南の風」とは「円安」のことです。今までは自陣に吹く「北西の風」(つまり円高)だったのが、非常にラッキーなことに、風向きが変わり、株価が上昇をしたという側面が強いわけです。

 祭祀を行ったのは安倍首相。「東南の風」(円安)を吹かせるという祈祷は、執拗に円安を唱えることと祭祀の神官(日銀総裁)を白(白川)から黒(黒田)へと変更をしたことにより、東南の風を実現したようにもみえてきます。

 しかし、本当に安倍首相が東南の風を吹かせたのでしょうか? 為替は安倍の首相就任前から円安方向に向かいつつありました。貿易収支の悪化が続いていたことと、米国景気の回復が背景です。要するに、円の信任が揺らぎ始めていたところに米国の景気回復により米国株が復活し、ドルが強くなり始めてということで、為替はすでに円安トレンドに入りつつあったのです。

 すでに弱いながら東南の風が吹いていた。そこに安倍首相が出てきて、祭壇をこしらえ祭祀を行い、まるで東南の風(円安)が突然、吹き始めたような格好になったのではないかと私は思っています。

 私は「これは、ごまかしだ!」と言って非難しているわけではありません。三国志でも諸葛孔明を詐欺師とは断罪していません。むしろ適切な行動をとった賢者という評価です。原因が何であれ、首相が東南の風を吹かせたと多くの関係者(有権者や投資家)に思わせられれば、それがカリスマ性を生み、信頼を得ることができます。

 カリスマ性があり信頼の篤いリーダーはその後の行動もスムーズにいくことでしょう。アベノミクスは多分に結果オーライ的な側面はあるものの、ただあるべき方向に持っていこうとする強い意志があり、その意志の力こそが、「首相が東南の風(円安)を吹かせた」と思わせることにつながっているようにも思います。

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