野球
二宮清純「東北勢、甲子園決勝の呪縛」

あと一歩で届かなかった頂点

 もうすぐセンバツが始まります。始球式は宮城・福島・岩手各県の中学生3人が行うそうです。東日本大震災からの復旧・復興を願ってのものでしょう。

 東北勢はこれまで春夏通じて10回、決勝に進出していますが、まだ1度も甲子園の頂点に立ったことがありません。以下に決勝のカードとスコアを示しますが、惜しい試合ばかりです。

 15年夏 京都二中(京都)2-1秋田中(秋田)
 69年夏 松山商(愛媛)0-0、4-2三沢(青森)
 71年夏 桐蔭学園(神奈川)1-0磐城(福島)
 89年夏 帝京(東東京)2-0仙台育英(宮城)
 01年春 常総学院(茨城)7-6仙台育英(宮城)
 03年夏 常総学院(茨城)4-2東北(宮城)
 09年春 清峰(長崎)1-0花巻東(岩手)
 11年夏 日大三(西東京)11-0光星学院(青森)
 12年春 大阪桐蔭(大阪)7-3光星学院(青森)
 12年夏 大阪桐蔭(大阪)3-0光星学院(青森)

 この中で、最も惜しかったのが69年夏の三沢です。結局は延長18回引き分け、再試合にもつれ込んだ末に松山商の軍門に下るのですが、深紅の大旗に指をかけた瞬間がありました。

 延長15回裏、三沢は1死満塁のチャンスを掴みます。松山商のピッチャーは後に朝日新聞記者となる井上明さん。ここで9番の立花五雄さんを打席に迎えます。

 スクイズを警戒する井上さんは3ボールナッシングと追い込まれました。ひとつストライクをとり、3ボール1ストライク。松山商にとって絶体絶命のピンチであることにかわりはありません。