2013年1月 現代ビジネス × アカデミーヒルズ コラボレーションイベント 「新政権は日本を再生できるか」 【第3回】
2013年1月「古賀茂明メールマガジン」対談

※この原稿は1月25日(金)に六本木アカデミーヒルズで行われた対談の模様を書き起こしたものです

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消費者に信頼されないメディアはいつか潰れる

古賀: ちょっと質問なんですが、それってすべての新聞の経営者はわかっているんですかね?

長谷川: 僕は、経営者であればわかっていると思いますよ。でも、わかっていない人もいるのかな? そうだとしたら、そういう新聞は読者に見放されるんだから、やがて潰れるんじゃないですか?

古賀: 新聞って、普通の人は毎日比較して読んだりはしないじゃないですか。大体の人は一紙講読したら、ずっとそれを読んでいますよね。これはすごく危険なことで、読売新聞を読んでいる人と朝日新聞を読んでいる人はもう世界が全然違うと思うんですね。

 好き嫌いがあるから、最初に自分の好みに合ったことを言ってくれる新聞を知らず知らずのうちに選んでいるというのはあると思うんですが、でもそれでずっと読んでいると、そういう思考に自分自身が固められていって、その結果、一定の読者は常に確保されるというようなことはちょっとあるかな、というところがあります。

 新聞同士というのは、本当は競争はあるわけですね。別に競争の制限はないですね。だから、ちょっとそこら辺がどうなのかな、と思いました。

長谷川: 僕は染め上げられてしまう読者が悪い、というような議論はしたくないんですね。僕は情報を出す側なので、そういうことは言いたくなくて、むしろ読者や視聴者に見放されるメディアというのは立ちゆかないのである、と、そこを議論の出発点にしています。

 では、いまの現状はどうなっているかというと、読者ではなく取材源に信頼される記者になれ、と教わるものだから、記者が真っ先に自分の書いた記事の評判を気にするのは、まさに取材相手なんですよね。「私は古賀さんから話を聞いてこんな記事を書きました。古賀さん、どうですか私の記事はこれでよかったですか?」と、そういうふうになるわけです。