世界一わかりやすいスティグリッツの経済学
第10回 「経済学の『プライシング理論』とは」

第9回はこちらをご覧ください。

 今回と次回で、価格の決まり方について取り扱います。新商品のプライシングに悩むビジネスパーソンは非常に多いです。わたし自身もその一人です。

 経済学では、プライシングをどのように考え、どのように処理しているのか、考えていきます。今回のKeyWordは、「均衡点」、「均衡価格」、「均衡取引数量」、「超過需要」、「超過供給」、「価格調整メカニズム」です。

2つの曲線が交わるところが「均衡点」

 需要曲線は「その商品がいくらの価格の時、世の中でどのくらい買われるか(需要があるか)」を示しています。一方、供給曲線を見れば、その商品が「その商品がいくらの価格で、どのくらい売りに出されるか(供給されるか)」がわかります。

 ただし、この2つの曲線を別々に理解しているだけでは、一体何がしたいのかよくわりません。どうすればわかるか? それは、市場需要曲線、市場供給曲線を一緒に重ねて描けばわかります。

 2つの曲線を同じグラフ内に描くとこうなります。

 この時、2つの曲線が交わったところを「均衡点」と呼びます。またその均衡点での価格を「均衡価格」、取引数量を「均衡取引数量」と呼びます。

 さらっと書きましたが、「均衡点での価格」「均衡点での取引数量」のイメージが難しいかもしれません。なので、まず「均衡点」について、改めて説明します。

 「均衡点」とは、2つの曲線(需要曲線と供給曲線)が交わる点です。ということは、どちらの曲線にも乗っているということです。

 市場需要曲線の上にある点は、「(この価格だったら)これだけ需要がある」という「需要量」を表しています。買いたい人がそれだけいるわけです。同じように、市場供給曲線の上にある点は、「(この価格だったら)これだけ供給がある」という「供給量」を表現しています。

 ということは、商品の価格が決まると、需要量も供給量も決まりますね。

 買いたい人と売りたい人が「買いたい!」「売りたい!」と手をあげて取引を始めるわけです。需要量と供給量がゼロじゃない限りどんな価格でも取引は行われますが、特に2つの曲線が交わった点での価格を「均衡価格」、取引される量を「均衡取引数量」と呼ぶんです。

 両方の曲線が交わった均衡点では、需要量と供給量が等しくなります。

 ここでは、買いたい人が無事に買えて、売りたい人も無事に売れるバランスのいい状態になっています。なので、この均衡価格で取引されている時は、誰も価格を変えたいと思わず、バランスがいい状態が維持されることになります。

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