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東大病院救急部長が語る「死後の世界」〜人間は必ず死ぬ。しかし…

数多の最期を見てきた医師の結論
週刊現代 プロフィール

そこで、「人には霊魂がある」という考え方を受け入れたらどうでしょう。「人は必ず死ぬのは確かだけれど、人間にとって死は終わりではなく、魂は永遠に生き続ける」……。

この考え方は、現代人にとって大きな救いとなるのではないでしょうか。

また、「魂は死なない」というイメージがインプットされれば、この世では自分は理不尽な人生を送っていたけれど、悠久の生の中でみれば、そうした理不尽さという意識を解消することもできるだろう、という視点に立つことができます。そうすれば、死を無意味に恐れることもなくなることでしょう。

繰り返しますが、私は長いこと救急医療の現場にいて、様々な死を目の当たりにし、嘆き悲しむご遺族の姿を見てきました。

しかし、死後も霊魂は消滅しないという考え方に立てば、亡くなった人はなんらかの自分の役割を終え、あの世で幸せに暮らしており、中には次の転生に備えている人もいることになる。この考え方に立ったほうが、遺族を含め、多くの人がより幸せになるのではないでしょうか。

日本人は古来より、霊的感覚に鋭敏な民族と言われてきました。このような時代だからこそ、私たちは魂の大切さについて理解を深めるべきだと思います。そうなってこそ、我々は本当の意味で、心の豊かさを掴むことができるのではないでしょうか。

「週刊現代」2013年3月16日号より