企業・経営
24歳でスタンフォードの博士号を取得した天才が裸一貫から世界最高の会社を作るまで
田村 耕太郎

 2年前、チュニジアから始まった「アラブの春」が中東諸国の政府転覆につながるとさかんに言われたときも、イアンは「エジプトの反政府運動が盛り上がった後も、中東諸国の政権は簡単に転覆しない」と断言した。「イスラエルがイランを爆撃する」という予測が有力視されたときは、「イスラエルにそこまで踏み切る意図はない」といち早く否定した。すべて当たっている。

 私が「ユーラシア・グループの成功の理由は何だと思う?」と聞いたところ、彼が挙げたのは次の3点だった・

(1)自分より優秀だと思われる人間を採用する
(2)部下には、とにかく自分に対して反論をさせる
(3)社長室などは作らず、同じ部屋に同じ大きさの机を並べ、自分もその一つを使う

 これらの理由につき、イアンはこう説明する。

「顧客が欲しがるのは『良い分析』だけ。それを出すには、優秀な人材が臆せずものを言える環境を社内に作るしかないよ。また、そういう組織にしないと、できる人材も集まらないからね」

 イアンほどの能力があれば、名門大学の花形教授の道を歩むこともできたはずだ。しかし、象牙の塔で「エエ格好」をしていることより、実社会で自らの力を試すべく、リスクを取って裸一貫で挑戦したガッツが素晴らしい。

 アメリカとは社会構造が違うので一概に比較はできないが、才能あふれる日本の若い研究者たちも、天才イアンを見習って、広く世の中に打って出てみてはどうだろう? そこから世界レベルの面白い試みが生まれる可能性は、十分にあると思う。

まもなく田村耕太郎さんの新刊『君に、世界との戦い方を教えよう ~「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』が刊行されます(3月27日発売予定)。アマゾンで予約受付中です。

著者:田村耕太郎
君に、世界との戦い方を教えよう ~「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から
(講談社、税込み1,365円)

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