本誌独占レポート ダルを超える!日ハム・ブルペンキャッチャーが明かす「大谷翔平は天才だった」
現代ビジネス編集部 プロフィール

「大谷がすごいのは、ストライクかボールか際どいコースに、バシバシ力のある球が来ることです。むしろそういった球の方が、より指がボールに引っかかり、力強くて回転のいい球になっている。もちろん今後、実戦や投げ込むなかで変わるでしょうが、今のままでもまず遠くには飛ばされないでしょうね」

 渡部には、大谷と交わした会話の中で、ある投手のことを強く思い起こさせられる瞬間があった。

「僕、手が小さいんです」

 それは、一昨年までの日本ハムのエース、ダルビッシュとの共通点だった。

「ダルビッシュも、身長の割に手が小さかった。大谷も同様に指はそんなに長くない。面白い共通点だなと思います」

 かつてダルビッシュは、自らの手が体の割に小さいことを「投手として不利な面がある」と認めた上で、「コントロールには役立つ」とその利点を語ったことがある。大谷の場合も、大きな体に不釣り合いな短い指が、その制球に一役買っているということなのだろう。

「佇まいもよく似ています。立っている姿なんてそっくりですよね」

 そう渡部も語るとおり、互いに背が高く、高卒でもある大谷とダルビッシュは、これまで幾度となく比較されてきた。大谷がいま、ダルビッシュが背負っていた11番を引き継いでいることからも、球団が同様の期待を彼にかけていることは容易に想像できる。

 そして、渡部がより強く二人の相似点を感じたのが、直球以上に変化球を受けている時だった。

「僕が受けたのはカーブ、スライダー、チェンジアップなんですけど、一番はスライダーかな。普通スライダーって、曲がる前に(投手の)利き手側に膨らむんです。ストレートの軌道からズレてから、グッと曲がる。それに対して大谷のスライダーは、直球と同じ軌道から、カクンと急に曲がる。スッと軌道から逸れると言うか。ダルビッシュと一緒ですよ。目で追っちゃったら捕れない」

 言葉を換えれば、「ダルビッシュ並みにキレがいいスライダー」を大谷は投げているわけだ。

 一軍の正捕手・鶴岡慎也(31歳)も初めてブルペンで大谷の投球を受けた直後、スライダーについて問われ、

「すごいですよ。普通の投手の球じゃない。(キャッチするのは、)反射神経の限界。捕手は大変」

 と独特の表現で絶賛している。この言葉を聞いて渡部は、

「鶴岡さんの言うことよくわかります。受けながら『捕れなかったらどうしよう』って考えていますもの」