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本誌独占レポート ダルを超える!日ハム・ブルペンキャッチャーが明かす「大谷翔平は天才だった」

2013年03月12日(火) 現代ビジネス編集部
週刊現代

 それだけではない。大谷には投球リズムにも「打者にとって非常に厄介な点がある」と福澤は指摘する。

「ピッチャーには、大きく分けて二つのタイプがいるんです。ひとつは前足が接地してから、すぐにバンッと腕が出てくる投手。もう一方は、前足が着いた後にひと呼吸粘ってから投げ下ろすタイプ。大谷は後者で、『1、2、3』という一定のリズムでなく『1、2、の、3』と、一拍『の』が入るイメージなんです。その一拍があってのバンッだから、バッターは余計にタイミングがとりづらいわけです。キャッチャーもですけどね(笑)」

 渡部や福澤が証言する大谷独特の球を生むメカニズムからは、同時に「可能な限り打者の嫌がることをしてやろう」という、大谷の意識もみてとれるようだ。

 そして何よりも、長年プロの世界に身を置き、何人もの「一流投手」の球を受けてきた福澤を驚かせたのは、大谷がまだ高卒1年目だという事実なのかもしれない。

「伊良部も高卒(尽誠学園・'87年ドラフト1位)で入団して来たんですが、その時はボールが『ピーン』と来る感じだった。それこそ、大谷のキャッチボールの時の球のような感じ。

 それが伊良部も、プロ生活の中で『ズドン』と来るブルペンでの大谷のような球に変わっていくのですが、確か(ボビー・)バレンタインが初めて監督になった頃('95年)だから、8年目くらいになっていたはずです」

 ちなみに、当時の日本最速である158kmの直球を武器に、伊良部が初めて二桁勝利(15勝)を挙げ、最多勝と奪三振王を獲得したのが7年目の'94年。そして福澤が「球質が変わった」という翌'95年に、伊良部は最優秀防御率を初受賞している。

「伊良部だってダルビッシュだって、プロに入ってから、プロで通用するように球や投球フォームをどんどん変化させながら固めていったんです。高校生の時とプロに入ってからのいい時を比べたら、印象がぜんぜん違う。その点、大谷は球質に関して言えば、すでにプロの一軍レベルに達しているんだから、やはり今までの投手とは次元が違うと言っていいんじゃないですか」

ダルと意外な共通点

 計100球近くブルペンで大谷の球を受けてきた渡部は、球質や投球リズムとはまた別の角度から、大谷の「天賦の才」を語る。

「僕がある意味、球の速さや重さ以上に感心したのが、コントロールです。経験上、いまの大谷くらいの速さや重さのボールを投げられる投手はいても不思議ではないんです。ただ、それは制球を度外視した場合に限られる。でも大谷には、プロで十分に通用するだけのコントロールがすでに備わっているんです」

 ただでさえ球威のあるストレートを持つ大谷が、制球力まで兼ね備えているということは、さらなる武器になるのだと、渡部は言う。

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