大震災から2年。順風満帆のスタートとなった安倍政権だが参議院選挙は楽観できない
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 大震災から2年が経った。復興も、原発事故の後始末も、遅々として進まない。予算措置はしても、人員や資材の不足で消化できない。政権も交代したことだし、この2年間の復興の歩みを検証して、対応策を改善していかなければならない。予算委員会で本予算の審議が始まったが、是非とも、審議を通じて、この点についてしっかりとした検証をすべきである。最大の問題は、現場の声が政府中枢に届いていないこと、そして縦割り行政と役所の規制が迅速な対応を妨げていることであろう。現場第一主義を貫くことこそ、復興の原則である。

2%の物価目標を実行するチームが動き出す

 衆議院の予算委員会では、安倍首相の強気の答弁が目立つ。この背景は、アベノミクスの出足が好調なことにある。株価もリーマンショック以前の水準に戻り、円安で輸出産業が息を吹き返しつつある。さらなる円安、株高期待で、個人消費も伸び始めたようである。デパートなどでは、高額商品の売れ行きもよいという。あとは、サラリーマンの月給が着実に上がることである。そうならなければ、企業の売り上げ増→従業員の給料アップ→消費の拡大→さらなる売り上げ増という好循環が生まれない。しかし、政府のかけ声だけで動くほど、企業経営の論理は甘くない。幸い、賃上げも明言する企業も出てきているが、まだ少数派である。

 今週は、日銀総裁・副総裁人事の国会承認が行われる予定で、参議院でも、承認される見通しである。私は、黒田総裁、岩田・中曽両副総裁の人事は、チームとして是非を判断すべきだと主張し続けているが、今のルールだと、一人一人決めることになっている。民主党が黒田、中曽両氏を是とし、維新、みんなとわが新党改革が岩田氏を認めれば、三人の人事が承認されることになる。そうなれば、政府と日銀が政策協定して掲げた2%の物価目標を実行するチームが正式に動き出す。これまた、安倍首相にとっては追い風となろう。

 TPPについても、アメリカ側と玉虫色の声明を出し、またコメと自動車をバーターするような裏技を使って、何とか交渉参加に漕ぎ着けそうである。自民党内にも反対論は根強いが、執行部一任という自民党的な落としどころで、まとめる目途はついたようである。憲法改正や教育改革など、安倍首相らしい本音も見せ始めているが、できるだけ抑制するという姿勢には変わりはない。

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