アベノミクスはそろそろ実のある施策を! iPS細胞を起爆剤としたバイオベンチャー企業の株高を、経済成長に繋げる戦略はあるか!?
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 円安の下、ニューヨークダウが過去最高値を連日更新したことに引っ張られた格好で、日経平均株価が先週末、ようやくリーマンショック前の水準を上回った。

 株高には、経済の拡大を後押しする効果がある。年金なども含めて、個人が保有する株式の含み益を膨らませ、消費マインドを改善し高額商品の売れ行きを伸ばす側面があるからだ。こうした資産効果そのものは喜ばしいことと言える。

 だが、浮かれるのはまだ早い。今の株高は、企業業績の拡大や賃金の上昇といった実態経済の成長に支えられたものではなく、単なる回復期待に支えられている面が大きいからだ。

 今週は、株高を先取りする形で、株価を切り上げてきたバイオベンチャー株を例にとり、株高をイリュージョン(幻想)に終わらせないために何が求められているかを考えてみたい。

「現状判断指数」「先行き判断指数」ともに上昇するも

 日経平均株価は8日、前日比315円54銭(2.64%)高の1万2,283円62銭で取引を終え、リーマンショック前の2008年9月12日(1万2,214円76銭)を上回った。4年半ぶりの高値水準の回復を成し遂げたのだ。この日は、1日の値上がり幅として今年2番目の大きさを記録した。

 ただ、日本株は、世界同時株高の"主役"とは言い切れない。日本株が取引を終えた後、8日のニューヨーク市場ではダウ工業株30種平均が前日比67ドル58セント高の1万4,397ドルと過去最高値を4日連続で更新したことと比べると、力強さを欠いている。「円相場に一喜一憂する為替のミラー相場に過ぎない」と指摘する証券マンも少なくない。

 とはいえ、株高の資産効果は侮れない。例えば、内閣府が8日に公表した先月の「景気ウォッチャー調査」において、現在の景況感を示す「現状判断指数」は前月比3.7ポイント高の53.2と、「横ばい」を示す50の壁を10ヵ月ぶりに突き破った。さらに、同じ調査で、2~3ヵ月先の景気を占う「先行き判断指数」は同1.2ポイント高の57.7と過去最高だった2006年4月の56.6%)を実に7年ぶりに更新した。

 「景気ウォッチャー調査」はアベノミクス効果を喧伝したい政府側の調査であり、心理的な要因が大きく調査の動向を左右すると言ってしまえば、それまでだ。が、全国の2050人を対象にした調査なので少しフラットな目で眺めてみると、家計関連では、「ガソリン高に伴う低燃費車への買換え効果で、新車販売は上向いている」(東海地区の乗用車販売店)、「土日集中ではあるが来街者の多さが感じられる。また株高、円安傾向のためか高額品の売上も堅調である」(中国地区の商店街)といったポジティブな声が多く聞かれたという。

 また、企業動向でも、「円安によって輸出採算性が向上し、価格競争力が回復している」(四国地区の一般機械器具製造業)との回答があったとしている。

 ただ、この調査も丹念に見ていくと、決して明るい話ばかりではなく、ネガティブな声もある。「野菜中心に価格が高騰しており、飲食店、スーパーが特に苦戦している。全体的に消費動向が弱い」(東北地区の商店街)や「暖房用の灯油価格も値上がりし、客からは不満気味の声が聞かれる。燃料油の販売量は相対的に昨年並みである」(九州地区のガソリンスタンド)、「ここへきて工場閉鎖や業務縮小が相次いであり、建設業や医療福祉業での人手不足感はあるものの、全体的には状況が悪化している」(東北地区の職業安定所)といった懸念が少なくないのも事実である。

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