[WBC]
オランダに6発大勝! 準決勝一番乗り

 第3回WBCは10日、2次ラウンドで日本代表がオランダ代表に延長戦の末、16-4で7回コールド勝ちを収め、決勝ラウンド進出を決めた。日本は初回に鳥谷敬の先頭打者ホームランで幸先よく先制すると、その後も一発攻勢で毎回得点。終わってみれば先発全員の17安打で大勝した。日本はラウンド1位をかけ、12日にオランダ-キューバ(11日)の勝者と対戦する。

前田、5回1安打無失点の好投(東京ドーム)
日本代表       16 = 1513114
オランダ代表      4 = 0000040 (7回コールド) 
(日)○前田-内海-山口-涌井
(オ)●コルデマンス-スタウフベルヘン-ヘイエスタク-ファンドリール-バレンティナ
本塁打 (日)鳥谷1号ソロ、松田1号2ラン、内川1号3ラン、稲葉1号ソロ、糸井1号3ラン、坂本1号満塁

<二宮清純観戦コメント>

“地の利”生かした大勝

 東京ドームと統一球。これが打線爆発の背景にあるのではないでしょうか。

 まず、東京ドームを味方につけました。千葉ロッテとヤクルトでプレーしたオランダのヘンスリー・ミューレンス監督が「ここは打者天国」と語ったように、日本の選手なら東京ドームがホームランが出やすい球場であることは誰もがわかっています。芯にしっかり当てれば、代表クラスの選手であればスタンドに飛ばせる力は十分に持っているのです。

 だからこそ各打者が甘い球を大振りせず、ジャストミートを心がけていました。この日の6本塁打はフルスイングの結果というよりも、コンパクトなスイングから飛び出したものです。その意味では日本の選手たちは東京ドームに合ったバッティングができたと言えます。

 半面、オランダの選手は守備のミスが目立ちました。これは東京ドームの人工芝に慣れていなかった面も大きいでしょう。オランダもキューバを破っているように実力のあるチームです。日本がホームアドバンテージをしっかり生かしたことが、予想外の大差につながったと感じました。

 そして、もうひとつNPBが採用してきた統一球がプラスに働いたとみることもできます。2年前、低反発の統一球を導入した理由には「打高投低の是正」とともに、もうひとつの目的がありました。それは国際大会でのディスアドバンテージの克服です。

 それまでのNPBでの使用球は国際標準のボールと比べて飛びやすく、国際大会でバッターが対応に苦労するとの指摘がなされていました。低反発球にした結果、ここ2年、シーズン中のホームランは大幅に減っています。日本の各バッターはその分、しっかりしたスイングで、ボールを射抜こうと“修行”してきたのです。

 この日、先頭打者アーチを描いた鳥谷敬選手は、WBC使用球について、「当たった時の打感が違う。今回のボールは弾きやすくて押される感じが少ない」と印象を語っています。WBC球のほうが飛ぶとなれば、バッターは、よりバットの芯で当てることに集中して楽な気持ちで打席に入れます。

“飛ばない”統一球が生んだホームランショー。そう考えれば、この2年間のNPBの試みは決してムダではなかったのかもしれません。