日本にとって喫緊のエネルギー資源はアラスカに眠っている!? 安倍首相の訪米日程に見る経済産業省の色
〔PHOTO〕gettyimages

 最近の新聞各紙を読むと、ちょっとした「シェールガス・ブーム」である。『読売新聞』(3月5日付朝刊)は一面トップで三菱商事、資源メジャーのロイヤル・ダッチ・シェル、中国石油天然気集団(CNPC)、韓国ガス公社の4社がカナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州に輸出基地を建設、カナダ産シェールガス(新型天然ガス)を液化し、そのLNG(液化天然ガス)を2019年には日本などアジアに輸出するという計画を報じた。

 また、『日本経済新聞』は同3日~5日の朝刊一面に「シェール革命」と銘打った箱モノ連載記事を掲載している。同紙によれば、

①ノースダコタ州など全米各地でシェールガス開発ラッシュが起こり、米国を世界最大のガス・石油の生産国へ変えつつある

②ロシアの国営ガスプロムなどが輸出先と当て込んでいた米国が「シェール革命」でガスの輸入国から輸出国に転じることになり、プーチン政権のエネルギー戦略が崩れ去った

③再建中の東京電力が北米の割安なシェールガスを大量に受け入れるために400億円を投じてタンク新設や発電設備の改造に踏み切る

 ---というのである。要は、世界レベルでエネルギー安保戦略に大変化をもたらすのがシェールガスだというのだ。

割高な中東産LNGにいつまで頼り続けるのか

 少し待って欲しい。『読売』以外の他紙報道にあったもう一つのプロジェクトである石油資源開発(半官半民)が権益を取得したマレーシア国営石油会社ペトロナスのLNGプラントにしても、鉱区開発・生産が上手くいって日本向け輸出が可能になるのは18年末である。カナダから日本に供給されるLNGは、どんなに早くても5年半後のことである。

 原子力発電所の操業停止以降、各電力会社は火力発電所で生産する電力を企業などに供給しているのだが、その燃料の殆どが中東・カタール産のLNGに負っている。インドネシア、マレーシアなど他国産に比べて圧倒的に割高であり、金額は年間3兆円を超える。わが国の鉱物燃料の輸入額は約24兆円なので、その8分の1は原発停止がなければ支払う必要がなかったお金である。

 本稿は、原発再稼働の是非について言及するものではない。では、日本は指を咥えたまま割高な中東産LNGを輸入し続けなければならないのか。実は、手立てがあるのだ。

 安倍晋三首相がバラク・オバマ米大統領との首脳会談のためワシントンに向けて発ったのは2月21日夕方(日本時間)だった。翌日の22日午後(現地時間)、日米首脳会談を終えた安倍首相は、その日の残りの日程をこなした。即ち、戦略国際問題研究所(CSIS。ジョン・ハムレ所長)での講演(英語のスピーチ)、ホテル・ウィラード・コンチネンタル・ワシントンでの首相主催のレセプション出席、そして駐米日本大使公邸での首相主催の夕食会出席であった。

 わが国の主要メディアは、この「安倍総理と有識者の懇談」(夕食会)について一行も記事にしなかった。安倍・オバマ会談前の22日午後(日本時間)、外務省は霞クラブ(外務省記者クラブ)に対し、10人の夕食会出席者の名前と肩書きを記したA4版1枚のペーパーを貼り出した。その名前を目にした同省詰め記者は、恐らく何ら重要性を自覚しなかったのだろう。どの社も出稿しなかったのだから。

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