経済の死角

平成の大相場「4万円まで見えてきた」
デフレよ、さらば
エコノミスト・武者陵司

2013年03月06日(水) 週刊現代
週刊現代
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 日経平均株価が上がっていますが、これは日本経済が長期にわたって継続的に成長する歴史的転換点になると思っています。うまく転換できれば、日本経済は大きく復活して、株価はいずれバブル前の高値を更新する可能性があります。

 日本経済の長い停滞や、世界における日本の著しい地盤沈下を象徴する現象が「デフレ」です。円高や資産価格の下落、いろいろな原因があって日本経済はデフレに陥っていますが、それがこの国の病の深刻さを増幅しているのは間違いないことです。

 この問題に対処する方法として、安倍政権は「3本の矢」(金融緩和、財政出動、成長戦略)を打ち出しました。これは今のところ、パーフェクトに近い。

 公共投資を中心とした財政出動はあまり評判がよくないですが、短期的に財政供給によって需要を押し上げるという点については評価できます。もちろん、何でもばら撒けばいいというわけではありません。それでも今、日本経済が明らかに罹っている病に対し、それがネガティブに作用することはないのです。

 結果として景気が拡大すれば、増税によって財政再建が行われるという道筋もできている。楽観はできませんし、今のところこうした政策はスローガンとして打ち出されているだけで、すべては安倍政権の今後次第ではあります。ですがこうした政策全部がうまく行けば、日経平均はバブル期の最高値を超え、数年かけて4万円まで上昇することはあり得ると思います。

 そもそも、日本ではこれまで、デフレの原因を見誤っていました。よく言われるのが、技術革新による製造業の製品の値下がりとか、中国など海外から安い製品が輸入されるようになったからなどというものです。

 しかし、それが間違っている。技術革新や新興国からの製品流入は世界中で起きていることなのに、日本だけが、ずっとデフレに苦しんできました。その原因は、医療や教育費、娯楽費、観光費、不動産価格、家賃など、さまざまな「サービス価格」の低下にあります。

 先進国において、発展のためのもっとも重要なエンジンは、「インフレ」です。中でも、サービス産業がインフレの状態であることが、非常に重要になる。ところが日本では、ずっとそのサービス産業のデフレが続いてきました。

次ページ  たとえば、トヨタ自動車の社員…
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