iOS、Androidに続く「第3のモバイルOS」の行方

MWC2013の「モジラ」ブース

 先週、バルセロナで開催されたMobile World Congress(MWC) 2013。今年は画期的な技術や製品はあまり見当たらなかったが、そうした中で比較的大きな注目を浴びていたのが、商品化が間近に迫った「Firefox OS」だ。

 Firefox OSは米モジラ財団が開発中のモバイルOS、つまりスマートフォンやタブレットに搭載される基本ソフトである。それは、いわゆる「オープン・ソース」として提供されるため、どんなメーカーや携帯電話会社(キャリア)でも無料で入手できる上、基本的には自由に改変して構わない。

 現在、世界のモバイル市場の85%はアップルの「iOS(アイフォーンやアイパッド用の基本ソフト)」とグーグルの「Android」が占めており、最近は特にAndroidがシェアを伸ばしている。Androidは元々、今のFirefox OSと同様、オープン性を前面に押し出した基本ソフトとして提供された。

携帯キャリアはなぜ「第3のモバイルOS」が必要なのか

 しかし、その勢いが増すに連れ、グーグルはAndroidに対するコントロールの度合いを深め、それに連れてメーカーやキャリアにとって、若干煙たい存在になってきた。またiOSは当初から、アップルが厳格にコントロールしているクローズド・プラットフォームだ。要するに、これらの基本ソフトを自社製品に搭載する会社は、アップルやグーグルの言うことを聞かねばならない。

 このためアップルやグーグル以外の企業、特にキャリアはiOSやAndroidに続く、あるいはそれに代わる第3の基本ソフトを求めており、そこにFirefox OSがタイミング良く登場したので、大きな期待を集めることになった。実際、先週のMWC 2013では、KDDIを始め世界の主要キャリア19社がFirefox OSへの支持を表明した。

 もっとも「第3のモバイルOS」という点では、この他にもマイクロソフトの「Windows Phone」やブラックベリー(カナダの大手端末メーカー)の「BlackBerry OS」などがある。言うまでもなく、資金力ではこれらの会社の方が(非営利団体である)モジラを遥かに上回っている。さらにはインテルとサムスンが中心になって開発中の「Tizen」というモバイルOSも控えている。日本では、NTTドコモが次期製品にTizenを搭載すると表明している。

 しかし、これらのモバイルOSは様々な理由から、Firefox OSほどの高評価を得るに至っていない。まずWindows Phoneについては、これがそもそも有料で提供され、自由に改変もできないことから、キャリアや端末メーカーにとっての魅力は乏しい。それを補って余りあるほどの力があれば別だが、Windows Phoneを搭載したノキア製スマートフォンの売り上げが中々伸びないことから見て、どうもそれほどの力があるとは思えない。

 ノキア(フィンランドの大手端末メーカー)の現CEO(最高経営責任者)は以前、マイクロソフトで働いていたことがあるので、所詮はそのコネでWindows Phoneを採用したと見る向きもある。

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