安倍首相が本格的政権を望むのなら、安全運転ばかりでは物足りない!
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 先週の火曜日、26日には、参議院本会議で、補正予算が一票差で可決された。安倍政権は、この結果を求心力が増すとして歓迎しているが、与党が多数派ではない参議院で、一票がいかに重いかを印象づけるものであった。それだけに、自民党執行部は、来る7月の参議院選挙で、何としても与党で過半数を制したいとの思いを強めている。

 個々の参議院議員、とりわけ7月に選挙を迎える議員にとっては、どうすれば再選できるかが最大の関心事であり、どの政党から出馬すれば選挙に有利かばかりを考えているようだ。一見して予想外の投票行動をした議員の背景を探ってみると、おおかたは選挙区事情である。たとえば、補正予算の採決を棄権した議員がいるが、そうしておけば、今後は可決側にも否決側にも回ることが可能だという計算があるのであろう。

日銀総裁・副総裁はバランスが取れたチーム

 次は、日銀総裁・副総裁人事である。黒田総裁、岩田、中曽両副総裁については、この3人をチームとして、いわばワンパッケージで考えるべきである。

 岩田規久男氏は、山本幸三、渡辺喜美議員と私がインフレターゲットを提唱して、12年前に自民党内で勉強会を立ち上げたときからの同志であり、大胆な金融緩和の推進力となる。黒田氏も、インフレターゲットの導入に賛同してきたし、通貨マフィアとしての実績もある。中曽氏は、日銀の内部の人間として、組織を動かす上で不可欠である。二人の副総裁のうち、一人は日銀プロパーでなくては組織が動かない。

 出身母体、博士号、英会話能力など、問題にすればきりがない。この三人のチームは、バランスがとれており、合格点である。このチームが不可という評価を下すのなら、何故なのか、きちんと説明しなければならない。

 国会同意人事については、衆参は全く同じ権限を持っている。参議院が同意しなければ、その人事は成立しない。日銀総裁・副総裁人事を政局の具とすることなく、国民を納得させるに足るような行動をとるべきであろう。

 3月15日までには、両院で承認され、日銀が、新体制で政府と協力しながら、デフレの克服に邁進することを期待したい。もし、結果が出せないのであれば、プロとしては失格であり、政府と共に責任をとるべきである。また、日銀法の改正も日程にのせる必要がある。金融緩和が自国の為替安につながることは、今日の経済学では常識であり、それを反映していない日銀法は改正すべきである。

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