賢者の知恵
2013年03月06日(水) 週刊現代

1200万人がやっている
サラリーマン「節税」と「脱税」の境目

週刊現代
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 国税庁の新人職員は「脱税は殺人と同じくらい重い罪」と教え込まれる。「国家の根幹」を揺るがす犯罪だからだ。とはいえ、税金は安ければ安いほど嬉しいのも事実。一線を越えない節税の方法は—。

国税は見せしめで逮捕する

「確定申告が始まるタイミングで逮捕したのは、国税庁から国民へのメッセージなんです。『国税は脱税をちゃんと見抜いてるよ。脱税したら大変な目に遭うよ』というね」(国税庁OBで税理士の赤池三男氏)

 確定申告がスタートする直前の2月15日、経営コンサルタントの本多弘樹容疑者(34歳)が所得税法違反で逮捕された。コンサルの名のもとに、顧客のサラリーマン数十人に脱税指南をしていた容疑だ。

 手口は単純で、サラリーマンに架空の副業で赤字が出たように申告させ、それによって正規の所得を圧縮し、すでに納めた所得税を還付させるというもの。容疑者はこの方法を「コンサル」することで、顧客一人から年額7万~8万円の「手数料」を得ていた。

「顧客の業種や得意分野に合わせて、スポーツインストラクターやグラフィックデザイナー、塾講師など、副業の職種も変えていたようです。自宅マンションの家賃や携帯電話代、自家用車の減価償却費などをすべて経費として計上し、副業を赤字にして、本業の給与所得と損益通算するという手口でした」(全国紙社会部記者)

 前出の赤池氏も、逮捕前から本多容疑者の噂は聞いたことがあったという。

「1年前の彼の確定申告書において『手数料』がやけに高く記載されており、税務署員が『これは何だ?』と勘付いたのが、発覚のキッカケだったようです。

 手数料を誰から得たかを調べるうちに、複数の顧客が副業で赤字を出して還付申請している人間だということが分かった。

 組織的な脱税の匂いがするということで、国税当局が全国の税務署に同様の案件がないかすぐに調べさせたと聞いています」

 新聞でも大きく取り上げられたこの事件、国税の思惑とは裏腹に、違う興味を持って読んだサラリーマンも多かったはずだ。

〈(税金の)還付申告者は年に1200万人を超え、税務署が膨大な申告書類から不正を見抜くのは容易ではない〉(読売新聞)

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