国会の争点「インフラの維持管理」については「すべての責任の所在」を明らかにすることから始めなければならない


 先に成立した補正予算の「復興・防災対策」の中に計上されていた、老朽化対策としての維持管理のあり方について、これまでこのコラムでいくつかの課題を指摘してきた。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34711

 そして、平成25年度総予算が政府より提出され2月28日、国会でも政府四演説が行われた。これから各党の代表質問、更には予算委員会における予算審議が行われる。おそらく議論されるだろう公共事業の中でも、とりわけ「維持管理」についての課題を示しておきたい。

 それは、笹子トンネル事故でも関心が高まった老朽化対策についての責任の所在と今後の取り組みの方向性が整理されて議論されるべきだとの思いからでもある。

1.維持管理の責任

 インフラの維持管理については、その重要性は誰しもが認めるところであり、その取り組みについても今日までに種々行われてきた。そして、その責任は管理者としての国、自治体、関係機関(高速会社など)が負い、その財源も各々が負担することが各インフラに関係する法律で明確に示されている。

 例えば道路については、道路法と高速自動車国道法で高速自動車国道及び国道の指定区間は国、国道の指定区間以外及び都道府県道は都道府県、市町村道は市町村と管理者が規定され、費用負担についても管理者の負担と明記されている(道路法3条2、13条、15条、高速自動車国道法6条等)

 民主党政権となった平成21年秋、次年度予算編成時に「地域主権の確立に向けた取り組み」が政権の大きな課題として示された。当時、私は副大臣として地域主権確立のため「補助金の一括交付金化」と同時に「直轄事業負担金の廃止」にも取り組んだ。国によるインフラの直轄事業の維持管理費として自治体に課せられている45%負担について、政権交代後の初年度となる22年度予算では「第一歩として」耐震改修等を除いて廃止し、大臣として策定した23年度予算では全廃とした。
http://www.mlit.go.jp/common/000056864.pdf
http://www.mlit.go.jp/common/000133630.pdf

 国は国、自治体は自治体、とインフラ管理者が財源も含めてその責任の所在を明確化したのである。 
 

 そもそも国民の安全安心に関わるインフラの維持管理費用は、各々のインフラ管理者が最優先に確保するべきだ。こうしたかつての地域主権の確立に向けた取り組みとは、国、自治体などの管理主体が自ら責任を明らかにしていくべきとの発想に基づいたものであり、極めて重要な取り組みだったと思っている。したがって先の補正予算の公共事業の多くが新設改築事業であり、維持管理の費用が十分でない、などということは本末転倒も甚だしいと言わざるを得ない。

 今後の国や地方の財政状況を考えると、もはや新設改築を行う余裕はない時代に入りつつある。特に、更新事業に関しては、将来の財政状況及び需要を見極めたうえで、場合によっては、今のインフラをそのまま維持せず廃止することも選択肢に入れるの議論も出てしかるべきではないか、とさえ感じる。

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