中国
PM2.5に霞む空の下で始まった、中国の"政治の季節"
〔PHOTO〕gettyimages

 3月3日から、政協(中国人民政治協商会議)が開幕し、5日からは全人代(全国人民代表大会)が開幕する。「両会」合わせて、2週間にわたる中国の政治の季節がやってくる。

 政協は唯一の政府への諮問機関だが、憲法上の規定はない。やはり重要なのは、全人代である。特に今年は10年に一度の大波の年。最終日に温家宝首相が引退し、李克強新首相が誕生するのをはじめ、ほとんどすべての大臣が入れ替わる。また、国家主席も胡錦濤から習近平に代わり、政権交代が完成する。

 そもそも、全人代の代表(国会議員)2987人も、大幅に入れ替わった。新華社通信の発表によれば、少数民族409人、女性669人、農民・工員401人、専門技術者610人、党政府幹部1042人、1980年代生まれ74人、1990年代生まれ2人だという。

 最年少は20歳の女子高飛び込み選手・陳若琳。昨年のロンドン五輪女子10m高飛び込みの金メダリストだ。もう一人、やはり20歳の鉄飛燕は、高速道路の料金所に務める一職員だが、雲南省を旅行中に橋を工事していた4人の作業員が河に落ちて溺れた際、いち早く飛び込んで全員の命を救ったのだという。さらに孤児を育てている「最も美しい90年代生まれ」なのだそうだ。

 代表には、香港特別行政区代表36人、マカオ特別代表区代表12人、そして台湾省代表13人も含まれている。新華社通信によれば、台湾省代表の13人は、全国及び人民解放軍の台湾省籍の国民で、全員が両岸のさらなる交流を望み、台湾独立には強硬に反対している、代表にふさわしい人物だという。

中国政府は巨船の操舵室のようなもの

 新華社通信はまた、過去5年間の政府の10大成果も発表した。それは以下のようなものだ。

①5年でGDPが2倍になった
年平均9%ずつ成長し、新規就業数は5870万人。財政収入は5.1兆元から11.7兆元に増加した。

②農業生産が9年連続で増加し、農民の収入が9年連続で増加した
農民の年収2,300元を最低収入に指定。「三農」(農業、農民、農村)に5年で4.47兆元投入した。年平均の増加率は23%。

③新技術への投資を増加した
リーマンショック後の4兆元の緊急財政支出のうち、3,700億元を新技術に投資した。

④世界最大の養老セーフティネットを作った
2009年に新型農村社会養老保険を始め、2011年に都市住民の社会養老保険を始めた。現在までの加入者はそれぞれ、4億8400万人と1億3000万人。

⑤13億国民皆保険に挑戦
「軽病は村を出ず、重病は県を出ず、薬価は保証され、病院で金の心配をしない」を目標に、国民皆保険制度に挑戦した。2009年から2011年までに、2200ヵ所の県級病院と、3万3000ヵ所の基本医療機構制度を建設した。薬価を平均3割安くし、すでに13億人に基本的な医療保証を行っている。

⑥史上最大規模の低所得者向け住宅建設
低所得者向け住宅予算及び戸数は、2007年の72億元、30万戸から2012年は3000万戸、1,858億元に達した。だがまだ5000万戸足りない。

⑦教育費のGDP比4%を確保
2011年6月8日、国務院常務会議は教育費4%問題で白熱した議論を戦わせた末、決定した。これによって9年間の無料義務教育を、1.6億人の児童生徒に実現した。

⑧災害の復旧対応
2008年の四川三文川大地震で、100万人の救援態勢を取った。

⑨情報公開の進展
2008年5月1日に、政府情報公開条例が施行された。5月13日の四川三文川大地震では、早速情報を公開して救援活動を行った。2011年から公務員の海外出張、公用車、接待費の「三公」の公開を始めた。

⑩発展の転換
2008年の金融危機を受けて、2009年に1200億元を減税した。所得格差改革を、2013年2月から始めた。

 確かに5年単位で見ると、中国政府というのは巨船の操舵室のようなもので、13億の民をよく運航していると思う。そして大枠推進、末端は取りこぼしというのが、いつもの中国のやり方だ(というより仕方がない)。

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