山本浩二 監督 直撃
「それでも3連覇できるんじゃないの」

さあWBCだ!その2
バットを手にしながら、練習の合間に取材に応えてくれた山本監督。「まあ厳しい戦いになるわな、そりゃ」〔PHOTO〕今井隼人

 福岡ヤフオクドームで行われるWBC第1ラウンドは、すぐそこに迫っている。指揮官・山本浩二監督(66)に、3連覇への手応えはあるのか。その胸中を直撃した。

---いよいよ本大会直前となりました。

「不思議なことに焦りはない。周りからは『大丈夫なのか』とあれこれ言われるけれど、それにいちいち動揺していては野球にならん。むしろ必死に汗を流す選手たちを見ていると、日に日にやりがいが出てきてワシも身体が熱くなってるよ」

---そもそも、落合博満前中日監督、ソフトバンクの秋山幸二監督が要請を断ったことで、お鉢が回ってきた監督就任。WBC3回目にして初のメジャー組不参加という事態です。先輩や仲間からはどう言われていますか?

「先日、長嶋(茂雄)さん、王(貞治)さん、(原)辰徳(巨人監督)と4人で食事をしたが、日の丸の重さを改めて感じたね。監督を務めることになったことについて、王さんがいみじくも『これも運命』と励ましてくれた。ワシのところに話がきたのは、ちょっとオーバーに言えば、男にとって人生最後のチャンスだ。長嶋さんには『頑張れ』と言ってもらったし、辰にはいろいろ協力してもらっている。こうしたバックアップを受けると、どうしても責任を感じてしまうもんだな。日の丸の力はすごい。我々のどんな言葉よりパワーがある。

 そもそもワシは、ブチ(田淵幸一)と一緒だった法政大時代も、プロに入ってセン(星野仙一・東北楽天監督)やブチ、トミ(日本ハムなどで活躍した富田勝氏)と一緒になったときも、常に注目度は彼らの後塵を拝していたからね。ワシはスタート時点ではいつも評価が低いんだよ。『いまに見てろ』という気持ちで闘ってきた。今回、いいチャンスをもらった。この負けじ魂を活かさんと」

---具体的にはどんな指導を?

「毎晩、スタッフミーティングを開いて、選手一人ひとりの性格や特徴を把握したうえで、どうすればベストコンディションで臨めるか、ライバル国に競り勝つことができるか、真剣に議論しとるよ」

---選手との信頼関係は築けた?

「監督に就任してから阿部(慎之助・巨人)と稲葉(篤紀・北海道日本ハム)とはよく話をしてるよ。この二人からは、『監督がガミガミ言わなくても平気な一体感を作り上げる』と言ってもらった。二人の努力のおかげで、この短期間でもかなりのまとまりができているね。最年長の稲葉は若い選手たちが冗談を言えるような雰囲気のいいチームづくりを進めてくれている」