人感センサーにGPSまで・・・消費者の心をつかむマーケティング最前線

フィナンシャル・タイムズ(UK)より

2013年03月25日(月)
ボタンを押すとケーキがでてくる「無料自販機」。クリスマス前、ロンドンのバス停に登場した〔PHOTO〕gettyimages

 試食サンプルの提供や「当たり」つきお菓子といった昔ながらの販売促進方法に、さまざまなテクノロジーを組み合わせたプロモーション活動が英国で話題になっている。

 昨年末、菓子メーカー「ミスター・キプリング」が実施したスライスケーキの宣伝では、自動で試食品を提供するマシーンが登場した。近くを人が通るとセンサーが感知してケーキの香りを放つ。同時に内蔵スピーカーからは音楽が流れる。興味をひかれた人がボタンを押すと、個別包装されたケーキ一切れがでてくる仕組みだ。ケーキがでる間隔を1分間以上あけるように設定したほか、稼働時間も朝7時から夜7時までに限定することでいたずらを防止。この〝自販機〟はロンドン市内のバス停やスーパーの外に設置され、大きな反響を呼んだ。

 競争が激化する菓子業界では、テレビCMよりも、こうして人々の「体験」に直接働きかけるタイプのマーケティングが重視されるようになってきているという。情報過多の影響で多くの消費者が広告メッセージを信用しなくなっている一方で、口コミの影響力が増していることがその背景にある。

フィナンシャル・タイムズ(UK)より

 ネスレ社の「We Will Find You」キャンペーンも反響が大きかった例のひとつだ。6つのキットカットにGPSチップが搭載されていて、買った人の居場所がキャンペーン本部に通知される。すると趦特殊部隊趦が出動して、24時間以内に賞金1万ポンド(約144万円)を届けてくれるというものだった。この企画は各メディアに取り上げられ、同社のフェイスブックファンは15万人も増加したという。

 こうした奇抜なアイディアで注目を集めることの多いハイテク・マーケティングだが、成功例ばかりではない。消費者が慣れていないために、迷惑行為と思われてしまうことも。米国ではトヨタ社カローラ・マトリックスのプロモーションが消費者の混乱を呼び、訴訟問題に発展した例もある。大きな宣伝効果が狙える一方で、企業側には細心の注意が必要なようだ。

 

 

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