イタリア総選挙の結果をうけて再燃したユーロ危機懸念
討論番組でユーロ問題を語るモンティ首相 〔PHOTO〕gettyimages

 2月下旬のイタリア総選挙の結果で、世界の金融市場に激震が走った。今まで財政再建や改革の先頭に立ってきた、中道左派が下院では過半数を獲得したものの、上院では過半数を得られなかった。そのため、イタリアの政情が不安定化して、ユーロ危機が再燃するとの懸念が高まったのである。

 2010年にギリシャの債務危機に端を発したユーロ危機は、つい最近まで、表面上は平穏な小康状態を保っていた。欧州中央銀行(ECB)のなりふり構わぬ支援姿勢が、ギリシャやポルトガル、スペインなどの信用状態を何とか支えているのである。

 しかし、ECBが提供できるのは、主に流動性に係る信用補完に過ぎない。それでユーロ問題がすべて片付いたと考えるのは尚早だ。何故なら、ユーロ圏の仕組みには、まだ解決されていない重大な問題点が残っているからだ。

残るユーロ圏の構造問題

 ユーロ圏では、強い経済力を持つドイツやオランダなどと、相対的に経済力の弱いギリシャやキプロスなどの諸国が併存する。これらの国を一つの経済圏に置けば、経済の強い国が輸出を伸ばし貯蓄を増やす一方、経済力の弱い国では輸入が拡大し債務が蓄積することは当然の結果だ。

 その結果、2010年のギリシャを発端として、アイルランド、ポルトガル、そしてスペインなどに信用不安問題が発生した。ユーロ圏諸国は、それらの諸国に支援を提供せざるを得ない状況に追い込まれた。

 問題は、支援を受ける側と提供する側の意識に、重大なギャップが存在することだ。厳格な北欧諸国の人々と、享楽主義的な部分のある南欧系の人々では明らかに文化が異なる。両者には、元々、相容れない心理的要素が存在する。そうした文化の異なる諸国をまとめる持続可能=サステイナブルなシステムが存在しないのである。

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