イタリア
イタリア総選挙はかなり絶望的な結果に! お笑い芸人が躍進し、前科まみれのベルルスコーニ親分が政界に復帰!
政界に返り咲いた”不死身の男”ベルルスコーニ 〔PHOTO〕gettyimages

 ドイツの政治を見ていると、日本の政治が歯がゆく思えることがままあるが、イタリアの政治と比べると、日本の方が10倍は立派だと思えてくる。

 週末に行われた総選挙の前、イタリアの有権者グループが、「せめて前科者は議席を持てないようにするべきだ!」と気勢を上げていたのを聞いて、ベルルスコーニ前首相のことを言っているのかと思ったら、なんと、イタリアの議会には、前科者が120人もいたらしい。今回の総選挙の後でも、それはあまり変わっていないだろう。何と言っても、親分が安泰なのだから。

混乱が伝統のイタリア政治

 イタリアは素晴らしい国だ。料理もワインも美味しく、絵画も音楽も一流で、海あり山あり風光明媚、そのうえサッカーは強く、天気も素晴らしい。ゲーテの時代より現在まで、ドイツ人のイタリアへの憧れは根強い。昔、私もイタリアオペラに凝った時期があって、あの美しい言葉の響きに痺れ、イタリア語を話す男性が、すべて素敵に見えたものだ。

 ところが、その素晴らしいイタリアも、政治だけは壊滅的だ。ベルルスコーニ氏は、過去に1994–95年、 2001–05年、05–06年、08–11年と、4回首相の座に就いている。内閣不信任投票は合計51回を数えたが、なぜかいつも復活し、結局、彼が首相であった2001-05年という任期は、戦後、一番長いものだった。

 つまりイタリアの政治は、伝統的に、いつも混乱しているということだ。そしてイタリア人は、これだけの混沌にもめげず、国家を維持し続けている自分たちの稀有な能力を誇りに思っている。

 しかし、2011年11月、さすがのベルルスコーニも、あれやこれやで起訴されて身動きが取れなくなったうえ、イタリアの財政破綻が進み、ついに首相の座を退いた。後を継いだのは、ベルルスコーニとは正反対の、体中から禁欲的なオーラを放つ、修行僧のようなマリオ・モンティ。彼は、イタリア経済の抜本的な立て直しに着手した。まずは脱税の摘発!

 イタリアというのは不思議な国で、税務署への所得の申告は、「これだけ稼ぎました」で済むらしい。その話を、すでに30年近く前にイタリア人から聞いて驚いた覚えがあるが、これは今でも変わらないという。

 当然のことながら、自営業者は大企業も個人商店も、真正直に所得を申告してはバカを見る。そうするうちに、脱税は全国民に愛されるスポーツのようになり、皆が熱心に励んだ結果、年間1,200億ユーロの税金がごまかされているという。破産寸前の国にしてはあまりにも寛大すぎる。

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