佐藤優さんに質問「試験合格の対策を教えて下さい」
佐藤優「インテリジェンスの教室」Vol.008 質疑応答より
【佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol.008 目次】
―第1部― インテリジェンス・レポート
 ■分析メモ(No.18) 「「森喜朗元首相とプーチン露大統領の会談」」
 ■分析メモ(No.19)「ロシアにおける隕石落下爆発事故」
―第2部― 読書ノート
 ■「1956年ソ日共同宣言の真実の意味」『極東の諸問題』
 ■沢木耕太郎『キャパの十字架』
 ■小倉和夫『秘録・日韓1兆円資金』
―第3部― 質疑応答
―第4部― 文化放送「くにまるジャパン」発言録
―第5部― 佐藤優さんの今後の予定(3月上旬まで)

 質疑応答に関して、一言。

 よい情報を得るためには、適切な質問をすることが重要です。漠然と、入試や資格試験に合格したい、歴史や哲学に関する勉強会をしたいが何を読んだらよいかといった類の質問からは、有益な回答が得られません。質問は大歓迎です。ただし、質問の仕方について、もっと頭をひねって考えてみてください。

 質疑応答で紹介した澤田昭夫 『論文の書き方』 (講談社学術文庫)は質問の技法を身につける上で、とてもよい参考書です。さらに、約20年前にベストセラーになった小林康夫/船曳健夫編 『知の技法 東京大学教養学部「基礎演習」テキスト』(東京大学出版会)を読めば、質問の仕方が上手になります。

質問:「試験合格の対策を教えて下さい」

 昨年は佐藤さんの『読書の技法』と『子どもの教養の育て方』を読んだことで、勉強に対するモチベーションを向上させることができ、佐藤さんには大変感謝しております。今回は佐藤さんに相談があります。

 昨年、社内の昇格試験の一次試験となっているヒューマンアセスメント(HA)試験を受験しましたが、不合格になりました。今年は再挑戦したいと思っています。このHA試験は、グループディスカッションとインバスケット試験の二つで構成されており、専門知識は全く問われない試験内容になっています。HA試験の実施は外部機関に委託しているため、客観性と中立性は担保されておりますが、評価基準と採点基準は公表されておりません。

 昨年は試験内容が分からなかったため、何も対策を取りませんでしたが、今年はインバスケット試験については、鳥原隆志さんの本を読んで入念に準備したいと考えています。もしも佐藤さんがHA試験を受験するとしたならば、どのような対策をして挑みますか?

 それともこの手の試験は地頭の良さが問われると割り切ってあえて何も対策を取らない方がいいのでしょうか?(匿名希望)

【佐藤優さんの回答】 私はヒューマンアセスメント試験がどういう内容なのかよく知りませんでした。今回の質問を受けて、インターネットで情報を調べてみました。中堅管理職になるために必要な内容を網羅している合理的な試験と思います。試験対策については、コミュニケーション能力や判断力を問う内容なので、幅広い教養と瞬発力が必要になります。ちなみにロシアのSVR(対外諜報庁)や大統領府の採用試験はだいたいインバスケット方式で行われています。

 島原隆志先生のようにこの道で実績のある人の本を読んで勉強するというのは、正しいアプローチです。それから、中学の公民、高校の現代社会の教科書を入手して、その練習問題に取り組んでみると、基礎教養がつきます。

 グループディスカッションについては、日々の職場の会議を通じて、実践で能力を向上させていくのが近道です。その場合、相手が言っていることを正確に理解すること(あるいは相手が筋道の通らない理解不能なことを言っているということを理解すること)に重点を置くと良いでしょう。そして、相手の主張とかみ合った議論ができるようになることです。相手の主張が非論理的なときは、それをやんわりと主張すればよいでしょう。

 いずれにせよ、きちんと準備をすれば合格する試験です。頑張ってください。・・・・・・

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