佐藤優インテリジェンス・レポート
「森喜朗元首相とプーチン露大統領の会談」

佐藤優「インテリジェンスの教室」vol008より
【はじめに 】
今回は、森喜朗元首相の訪露、チェリャービンスク州における隕石の落下爆発などロシアに関する問題を分析メモでは扱いました。双方ともかなり踏み込んだ分析をしました。

【目次】
―第1部― インテリジェンス・レポート
■分析メモ(No.18) 「「森喜朗元首相とプーチン露大統領の会談」」
■分析メモ(No.19)「ロシアにおける隕石落下爆発事故」
―第2部― 読書ノート
■「1956年ソ日共同宣言の真実の意味」『極東の諸問題』
■沢木耕太郎『キャパの十字架』
■小倉和夫『秘録・日韓1兆円資金』
―第3部― 質疑応答
―第4部― 文化放送「くにまるジャパン」発言録
―第5部― 佐藤優さんの今後の予定(3月上旬まで)

インテリジェンス・レポート 分析メモ(No.18)
「森喜朗元首相とプーチン露大統領の会談」

【コメント】
1.
森喜朗元首相は、2月20~22日、安倍晋三首相の親書を携行し、首相特使としてロシア連邦の首都モスクワを訪問した。プーチン大統領は、クレムリン宮殿の執務室で、森氏と1時間13分会談した。プーチン大統領は、森氏を現職の国家元首が実務訪問を行ったときと同じ時間を会談に割き、丁寧な対応をした。

2.―1
今次会談で、日本側が設定した目標は、森氏とプーチン大統領の間に存在する個人的信頼関係を一層強化し、北方領土問題の政治決断に向けた環境を整備することであった。

2.―2
会談に同席した、ウシャコフ大統領補佐官(外政担当)が、会談終了後、日本側同席者の上月豊久(こうづき・とよひさ)外務省欧州局長を追いかけ、「とても内容の濃い、意味ある意見交換だった」と述べたが、これはロシア側の額面通りの評価と考えてよい。日本側が設定した目標は、今回の会談で達成された。

(略)

4.
今回、森氏が行ったアプローチで特徴的なのは、3.の「出口論」に加え、北
方領土問題を他の経済的、地政学的問題と同じ「バスケット」に入れ、日露関係の総合的発展の中で北方領土問題を動かそうとするアプローチをとったことだ。21日にモスクワで行った森氏の記者会見から、バスケットの中に以下のテーマが含まれていることがわかる。

 (1) 日露のエネルギー協力。プーチン大統領が「エネルギー相を長とする代表団を、25日から始まる週にも日本に派遣したい」と述べた。同席の上月欧州局長は右事実を承知していなかった。外務省、経産省が連携していないことで、戦略的外交が展開できていないことが露呈した。

 (2) 北朝鮮問題をめぐる協力。プーチン大統領は「北朝鮮の核実験は断じて容認できない」との意向を表明するとともに、

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