巨大地震に挑む最先端テクノロジー 【前編】
プレハブ住宅メーカーで初めて免震住宅を商品化した
ダイワハウスの「揺れを受け流す」技術

 東日本大震災から2年が経とうとしているが、被災地の傷は今なお完全には癒えていない。文部科学省地震調査研究推進本部によると、今後30年以内にマグニチュード7レベルの首都直下地震が発生する確率は70パーセント。同じく、南海トラフ巨大地震の発生確率も高い。いざ巨大地震が起きたとき、はたして自分の家が無事持ちこたえられるのか、不安を感じている人も多いだろう。

 実は諸外国に比べると、地震大国・日本の地震対策技術は高く評価されている。1981年には「新耐震基準」が定められ、新たに建物を建てる場合、「震度6強以上の地震でも倒壊せず、建物内の人間の安全も確保する」ことが義務づけられた。実際、1995年の阪神・淡路大震災で倒壊したのは古い木造住宅がほとんどだった。

 そして、阪神・淡路大震災を契機に地震対策技術の研究、商品化には拍車がかかり、日本の技術は世界でもトップクラスともいわれている。今回、その最先端を取材してみた。

 そもそも地震対策は大きく3つに分けられる。「耐震」「免震」「制震」だ。

 耐震とは、文字通り地震に耐えること。地震で壊れることのない頑丈な構造を作る技術を指す。免震は地震の揺れを受け流し、建物に揺れを直接伝えないようにする技術。そして制震は、揺れを制御し、小さくする技術だ。

 まず、耐震と免震の最新技術を紹介したい。

耐震---巨大地震18回を耐え抜く技術

 1995年の阪神・淡路大震災のとき、大和ハウス工業の戸建て住宅は揺れによる全壊・半壊が1棟もなかったことで注目を集めた。創業者の石橋信夫は1950年のジェーン台風の直後、折れずに立っている稲穂を見て、鉄パイプを使った建築を思いついたという。「災害に強い建築物」は同社の創業理念でもある。

 現在、同社の戸建て住宅のその中核となる耐震技術には、「縦方向の力に耐える柱と、横方向の力に耐える耐力パネルからなる鉄骨3本一体構造のトリプルコンバインドシステムがあります」と、同社総合技術研究所・建築技術研究室振動研究チームの山下仁崇チーム長は言う。