岩崎元郎 第4回 「釈迦ケ岳を新百名山に選んだのは、『奥駆け』を試したことがきっかけだった・・・」

撮影:立木義浩

第3回はこちらをご覧ください。

シマジ 岩崎先生の『ぼくの新日本百名山』(朝日文庫)は、山に登らないわたしでも夢中で読んでしまうくらい面白いですね。第一に、名文です。

岩崎 有り難うございます。

シマジ セオ、この「新百名山」に選ばれている30番目の釈迦ケ岳を朗読してくれないか。この山は奈良県にあって標高1800メートルだそうだ。

セオ また朗読ですか。

立木 おまえは顔もいいが声もいい。岩崎先生の名文をおれも聞きたい。

セオ はい、はい、分かりました。では、失礼します。

〈 釈迦ケ岳は大峰山の南部の雄峰。ピラミダルな山容が美しい。

 大峰山といえば、狭義には役ノ行者による開山で知られ、山岳修験の根本道場として知られる山上ケ岳をさすが、広義には紀伊半島のほぼ中央を南北約50キロに連なる山脈の総称となる。

 釈迦ケ岳を新百名山に選んだのは、「奥駆け」を試したことがきっかけだった。奥駆けは、大峰山脈全縦走のこと。総延長180キロを現在では8泊9日で駆け抜ける荒行だ。奥駆けは山伏たちの修行であることはもちろんだが、山好きなら一度は歩いてみたい魅力的なコースだ。南の熊野から北の吉野へと、この山脈を初めてトレースしたのも役ノ行者である。