[プロ野球]
佐野慈紀「優勝へ、開幕ダッシュを目指す阪神」

スポーツコミュニケーションズ

体重移動の完成は後ろ足のひねり

 昨年5位と低迷した阪神ですが、チーム再建のためには先発ローテーションの安定化が必須です。現在、ローテ―ション入りが確実視されているのは4人。能見篤史、岩田稔、スタンリッジ、メッセンジャーです。この4人に続く5番手、6番手に入るのは誰なのかが今、注目されています。

 候補の一人に浮上しているのが、プロ4年目の秋山拓巳です。第3クールから一軍キャンプに合流した秋山ですが、昨季と比べると、非常にいい状態に映りました。秋山はもともとストライク先行で追いこみ、勝負するというピッチャーです。ところが、昨季は初球からボール先行ということも少なくなく、カウントが取れずに苦しんでいる姿がしばしば見受けられました。しかし、今キャンプでは違いました。練習試合でも積極的にカウントを取りにいき、ストライク先行のピッチングをしていたのです。

 秋山がさらにレベルアップするためには、もう少し体重移動がうまくなることが挙げられます。よく「前に踏み出した足に体重を乗せろ」と言われますが、そのためには実は、後ろ足がポイントとなるのです。ピッチングは軸足に体重を乗せ、それから踏み出す足に体重を移動させていきます。しかし、それで終わりではありません。その時に後ろ足の内側、股関節をひねって初めて「体重移動」が完成されるのです。しかし秋山には、その後ろ足のひねりが弱いのです。この部分が強くなり、さらに体重がしっかりと乗れば、球威もスピードも増すでしょう。

 先発同様、必須なのがメジャー移籍した藤川球児のいなくなったクローザーのポジションです。白羽の矢が立ったのは、久保康友。本人の言葉通り「やってみないことには、わからない」というのが正直なところでしょう。しかし、彼はボールが先行して大崩れするようなピッチャーではありませんので、それなりにこなすのではないかと思っています。

 クローザーに求められるのは、主に絶対的なウイニングショット、抜群のコントロール、そして何に対しても動じないメンタルの強さです。この「動じない」というのは、単に気が強いというだけでなく、常に冷静に自分や周りを分析できる力のこと。そういう点では、久保は心配いりません。経験豊富なピッチャーですから、うまく対応するのではないかと思います。