学校・教育
尖った人材を各国から集め、クレイジーな研究に投入する「世界ランキング1位」の大学の強さ

ノーベル賞を受賞した教授の数は日本全体の倍

 前回は、「タイムズ」紙による世界大学ランキングで、東大が低迷していることについて触れた。一方で、その世界大学ランキングでトップに輝いている大学はどこか、ご存じだろうか?

 答えは、ハーバードでもオックスフォードでもエールでもない。カリフォルニア工科大学(通称カルテック=Caltech)という大学である。

 日本ではそんなに馴染みがない大学だと思うし、名門校のイメージを持っている日本人もあまりいないだろう。規模でいえば、東大の10倍以下という小さな大学で、学部生が896人、大学院生が1275人しかいない。ちなみに東大は学部生1万4018人、大学院生1万3624人である。

 教員も、カルテックには280名しかいない。一方、東大には約4000人の教員がいる。

 東大よりはるかに規模が小さいが、この大学がすごいのは、現役教授にノーベル賞受賞者を5人も抱えていることだ。歴代の教授の受賞者を合わせると31人になり、日本全体の倍近い人数を輩出していることになる。アインシュタインも一時、このカルテックに在籍していた。

 京大で助教授、バークレーで教授を務めた後、カルテックに移り、理論物理学を教えている大栗博司教授にお会いして、カルテックの魅力を伺った。大栗先生は、量子力学の頂点といわれる素粒子論「超ヒモ理論」の大家である。ノーベル賞への登竜門といわれるフンボルト賞をすでに受賞しており、将来のノーベル賞候補だ。

 この「超ヒモ理論」について、大栗教授はあまりにも生き生きと楽しそうに話されるので、私もどんどん引き込まれていった。カルテックの実力の秘密について、教授はこう説明してくれた。

 「カルテックの強さは"小ささ"にあります。ハーバードやMITのような資金力も教員数も学生数もありません。そこを逆手に取るんです。

 つまり、機動力を生かすわけです。小さいからこそ、MITやスタンフォードがやらない研究に差別化します。そして、本格的にやるときは、本気で大きくやります」

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