民主離党者続出で衆参ねじれ解消目前の安倍政権は、勝って兜の緒を締めよ!
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 安倍政権の滑り出しは、順調である。週末の日米首脳会談でも、TPP交渉参加への道筋をつけたようで、一定の外交成果をあげた。さらに、参議院では、二人の民主党議員が離党するなど、衆参のねじれ解消へ向けた動きが加速化しつつある。補正予算は、すでに衆議院を通過しているが、参議院でも可決されるとなれば、安倍政権の求心力は増す。それに加えて、日銀総裁人事も政府案が承認されれば、政権にとっては、高笑いが止まらない状況となろう。

アメリカに安心感を与えた安倍政権

 まずは、日米関係であるが、普天間基地の移設先を「最低でも県外」と公言した鳩山元首相以来、民主党政権下では、とくに安全保障分野での関係悪化が進んだ。尖閣諸島をめぐる中国との対立激化も、民主党政権の統治能力の欠如を印象づけた。対中関係の悪化は、アメリカにとっても好ましいものではない。経済の分野でも、TPP交渉については、民主党政権の軸足が定まらず、政権党の体をなしていなかった。

 安倍政権になって、日米安保が日本外交の基軸であることを強調したことは、アメリカに安心感を与えたと言えよう。鳩山、菅、野田と続いた民主党政権では、日本の進路についての予見可能性が低下し、それがアメリカの不安につながった。少なくとも、安倍政権下ではそのような心配はない。

 TPPについては、安倍政権は、「聖域なき関税撤廃」が前提ならば、交渉に参加しないという方針を事前に表明し、それをオバマ大統領に理解させるのに成功した。民主主義体制において、選挙での公約がいかに重いかということである。自民党内にも、農業団体の支持に頼る議員などが、TPPに強硬に反対しているが、今回の日米共同声明は、そのような反対派を説得するための証文のようなものである。交渉参加にいつ踏み切るのか、また踏み切ったとしても反対派の声を抑えられるか否か、重い課題はこの先も続いていく。

 ロシアには、森元首相が、政府特使として行き、旧知のプーチン大統領と会談した。領土問題について、プーチン氏のいう「引き分け」とは、日露双方にとって勝ち負けがないことだという説明を引き出した。その上で、安倍首相の訪露も提案された。ロシアとしては、中国を牽制する意味でも、日本との経済協力関係を強化しておきたい意向である。北方領土の問題解決は容易ではないが、両国間で対話が再開されようとしていることは、一歩前進である。

 もう一つの領土問題である竹島問題は、島根県主催の記念式典に政府から政務官が初めて出席し、韓国側の反発を買った。しかし、25日には朴槿恵大統領の就任式に麻生副総理らが参加し、日韓関係の絆を強化することを確認している。北朝鮮は、ミサイル発射、核実験と国際社会に対する挑発を強めているが、そのような時だからこそ、竹島問題を超えて両国が協力する必要がある。

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