雑誌
'90年代の栄華、'00年代からの苦悩の末に…
小室哲哉 独白90分
「僕はいまC型肝炎と闘っています」

音楽プロデューサーとして栄耀栄華を極めた過去はもう遠い昔。楽曲制作と妻の介護に明け暮れるなか、新たな悲劇が彼を襲う。曰く、「人生最大の崖っぷち」に立つ54歳は、言葉を選びながら、自らの病について語り始めた―。撮影/吉場正和

 頂点から絶望の淵へ―。 '11 年10月、妻・桂子が、くも膜下出血で倒れたその1年後、追い討ちをかけるように、自分の身体が病魔に冒されていることを知る。運命とはかくも残酷なものなのか。小室哲哉(54)は、ときおり目に光るものを浮かべながら、静かに語り始めた。

「C型肝炎だとわかったのは、妻の桂子(globeのボーカルKEIKO)のおかげかもしれません。彼女が倒れたあの日をきっかけに、僕も血液検査や尿検査を受けるようになり、昨年の9月、肝機能の数値の異常に気づいたのです。主治医の先生には『専門の先生に診てもらったほうがいい』とアドバイスをいただきました。

 肝臓の病気は自覚症状がありません。痛くも痒くもない。むしろ、仕事をこなしながら桂子の介護をしている割には元気だな、と思っていたくらいでした。

 そして10月末、専門の先生に診断していただいたところ、C型肝炎と判明しました。『将来的に肝硬変や肝がんに進む可能性もあるので、すぐに治療したほうがいい』と言われたんです。病名こそ知っていましたが、それがどれほど深刻な病気なのかわからず、すぐにインターネットなどで調べました。

 振り返ると、逮捕されたとき( '08 年、楽曲著作権を巡る5億円の詐欺容疑。懲役3年、執行猶予5年)は、現実とは受け止められず、不安は際限なく膨らみました。ところが今回、C型肝炎だと告知されても、意外なほど冷静に受け止めることができ、取り乱すこともなかった。むしろ、初めて50歳を過ぎた自分の年齢というものを意識したくらいです。

 桂子が倒れたときの、くも膜下出血という重い響きがまだ記憶に新しかったからなのだと思います。あのショックに比べれば雲泥の差。今度は僕か……という絶望は不思議と感じませんでした」