世界経済 金融・投資・マーケット
円安傾向と株価上昇の相関関係
〔PHOTO〕gettyimages

 足許の金融市場の動向を見ていると、円が売られ円安になると、わが国の株価は上昇する傾向が顕著になっている。その背景には、円安になると、わが国の主力輸出企業の収益状況が改善するとの期待がある。

 ところが、実際の企業の業績予想を見ると、昨年11月以降の円安傾向にもかかわらず、期待されたほど業績は伸びていない。むしろ、2013年度の通期予想を下方修正する企業の方が多い。特に、昨年の中国経済の減速などによって、鉄鋼や化学などの分野で市況が低迷したことが大きく影響しているようだ。

 そうした企業業績の伸び悩みにもかかわらず、円安に振れると株価は堅調な展開を示している。恐らく、多くの投資家は、円安傾向が続くことによって来期以降の企業業績が改善することを期待しているのだろう。その期待が残っている間は、円安→株高の動向が続くと見る。

市況低迷と為替予約

 わが国企業の業績が期待されたほど伸びない理由としては、中国経済の減速が大きく影響したことがある。中国経済の減速で、鋼材や化成品などの素材を中心に過剰供給が顕在化した。そしてそれが、わが国の鉄鋼や化成品などのメーカーを直撃した。

 また、輸出企業は、事前に為替予約を結んで為替の変動リスクを回避することが多い。ひとたび為替予約を取ってしまうと、その後、円安が進行してもそのメリットを享受できるまでには一定の時間が掛かる。

 つまり、わが国企業が円安の恩恵を享受できるのは、為替予約でカバーしていない来期以降ということになる。特に、主力の米国市場が堅調な自動車などの分野は、来期以降、販売数量の増加と円安メリットの相乗効果で業績が大きく改善するはずだ。

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