防衛・安全保障
アメリカを狙う北朝鮮の核実験成功で、「集団的自衛権」が喫緊の課題に浮上した

 北朝鮮が核実験を成功させた。昨年12月のミサイル発射実験が成功だったとすると、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)に加えて、核弾頭の小型化に向けても着々と技術をたくわえている形になる。

 アメリカ大陸に核弾頭を落とすには、まだ相当な時間と技術の蓄積が必要になるだろう。だが、北朝鮮が米国本土を射程に捉え始めたのは、どうやら間違いなさそうだ。それは安全保障をめぐる従来の前提が一変し、まったく新たな次元に突入したことを示している。

 日本はどう対応したらいいのか。

アメリカを射程に入れる「北朝鮮の核」をオバマは許さない

 まず認めなければならないのは、安倍晋三政権が掲げた憲法改正や集団的自衛権の見直し問題が単なる頭の体操とか理念のレベルを超えてしまった点である。現実世界の展開が政権の想定した政策展開スケジュールを追い越してしまった、と言ってもいい。リアルの世界がシミュレーションの世界を追い抜いたのだ。

 米国の側に立って考えれば、今回の事態がどれほどの危機であるか分かる。

 米国はあきらかに狙われている。北朝鮮が脅威になってきたのだ。脅威に対するオバマ政権の考え方ははっきりしている。オバマ大統領は一般教書演説で北朝鮮を強く非難したが、すでに1月下旬に二期目の就任演説でこう述べていた。

「軍事力と法の支配によって、国民と私たちの価値観を守る」。抜き差しならない緊張感をはらんだ国際関係に対する米国のリアリズムが、これほど短い言葉でずばりと示されたのは初めてではないか。

 オバマ大統領はまず軍事力、次いで法の支配という原則に立って世界を眺めている。そういう立場からすれば、北朝鮮が「ICBMでアメリカ大陸を射程に入れる」という現実は、けっして容認できないはずだ。

 

 外交努力で北朝鮮が核開発をあきらめさせるのは、もちろん望ましい解決法である。だが、そんな理想的解決が100%期待できない以上、オバマ政権が軍事的解決オプションを捨てることはないだろう。

 米国はそんな甘い国ではない。空爆か洋上からのトマホーク攻撃か知らないが、北朝鮮の核施設を外科的に処理する選択肢を最後まで残しておく。そう思う。

 そんな選択肢が現実になれば、北朝鮮と米国の本格的な戦争に発展する可能性もある。それは悪夢だ。だが、見たくない現実の可能性を頭から除外して、ひたすら外交的解決を願うのは思考停止である。そのとき日本や韓国はどうするのか。

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