「その苦悩と決断」Jリーグ「戦力外通告」の男たち

フライデー
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「ベンチ外が増えるなど、不安な気持ちはもちろんありました。ただ、選手としてはシーズン中からわかるもので、僕自身も準備していたし、家族とも、代理人ともいろんな話をしていた。言われたときはショックでしたけど、あまり引きずらずに前を向けたと思います」

 あらゆるカテゴリからオファーが来ていたなかで、アルビレックス新潟というチームに決めた一番の理由がサポーターの存在だったという。

「新潟にはアツいサポーターがいます。レッズ時代も対戦していてイヤでしたし、そういうチームからオファーを受けて決めました。オレはもう新潟の選手だと思っているし、新潟のために全身全霊でやります。まずは初ゴール。新潟ではまだ、選手としての実績は何も残していないので、新天地での1点目を早く取りたいなと思っています」

 決然と前を向く男が、そこにいた。

合同トライアウトという選択

三都主アレサンドロ(35)
ブラジル出身。MF・DF。名古屋グランパス―栃木SC。16歳で明徳義塾高にサッカー留学した。'02年のW杯決勝トーナメント1回戦のトルコ戦では、惜しいFKを放った〔PHOTO〕村上庄吾

 戦力外通告を受け、所属チームを失った選手たちは、Jクラブに対してアピールできる機会が設けられる。それが「日本プロサッカー選手会合同トライアウト」だ。昨年12月11日、会場となった千葉県のフクダ電子アリーナには、過去に日本代表として活躍した三都主アレサンドロ(35)の姿があった。

 昨季まで所属した名古屋グランパスでは出場機会が減り、シーズン終盤にはケガも負った。そんな状況下で、無情にも戦力外通告を受ける。アピールしたくてもケガで動けない日々が続いたが、治ればまだやれるという自信はあった。

「合同トライアウトに臨む頃にはケガも完治していたので、普通にプレーすれば、どこかのクラブが拾ってくれると信じていた」

 '01年、ブラジルから日本に帰化すると、日韓W杯、ドイツW杯と2大会連続で日本代表に選ばれた。代表キャップ数82は歴代6位。左足から繰り出されるキックは世界標準といえるだろう。トライアウト終了後、さっそく栃木SCが獲得に名乗りを上げたのだった。

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