スポーツ

大阪桐蔭西谷浩一監督独占インタビュー
中田翔、西岡剛、西武のおかわりくんも指導してきたけど「藤浪晋太郎先輩たちとここが違った」

2013年02月18日(月) 週刊現代
週刊現代

 大阪桐蔭野球部の西谷浩一監督は、教え子である藤浪晋太郎(18歳)をこのように評価する。大阪桐蔭は、'98年の秋に西谷監督が就任して以来、藤浪だけでなく、多くのプロ野球選手を輩出。特に、中村剛也(29歳・西武)、西岡剛(28歳・阪神)、平田良介(24歳・中日)、中田翔(23歳・日本ハム)ら、スラッガーの育成には定評があり、出身者の多くがプロ入り後もチームの中心選手として活躍している。

 昨年、西谷監督はチーム史上初の甲子園春夏連覇を達成。その原動力となり、ドラフトで4球団競合の末、阪神に入団した藤浪には、3年間通して担任教師としても指導にあたってきたという。

 藤浪は勉強もすごくできました。学校の成績もいいですし、優等生というか、ものごとをとても論理的に考えることができる。

 そういうことは私たちも指導しますが、根本はもって生まれたものや、親御さんの躾だと思います。

 藤浪の人間性がよく現れていたのが、彼らの学年にとって最後の全国大会である昨秋の「ぎふ清流国体」のときでした。

 ある試合で、あまり試合に出ていなかった高井洸佑という子がホームランを打ったんです。その試合、藤浪は9回に1イニング投げただけでした。それでも勝利インタビューは藤浪と私になる。すると藤浪が、

「今日は自分じゃなくて、高井が出るべきでしょう」

 と言ってくるんです。高井は、岐阜出身なんですよ。

 もちろんワガママでもなんでもなくて、自分より相応しい人間がいるじゃないかと。ちゃんと自分の中に「正しいものさし」を持っているんですよね。

小さな勝負の積み重ね

 勉強だけじゃなく、練習でも、普段の生活でも、彼は優等生でしたよ。ヤンチャな子が多かったですから。西岡とか、中田とか(笑)。先輩たちと比べると、その点では手がかからなかったですね。

 でも野球の能力という面で見ると、成長が一番遅かったのが藤浪なんです。彼がもっとももがき苦しんでいたのは、昨年のちょうど今頃でした。

 実は、2年生までの藤浪は、精神的にまだ未成熟で、ここ一番の勝負で勝ち切れないことが多かった。春のセンバツはもう一歩のところで逃し、夏の府大会でも決勝で敗れてしまった。1年間で2度も、「あと1勝」という場面で甲子園を逃している。

 私はあまり怒らない監督だと思われているらしいのですが、当時は藤浪のことをよく叱った記憶があります。もちろん彼のせいで負けたというわけではないんですが、ボーッとしてるところがあって、マウンドでもそのマイペースさがマイナスに作用することも少なくなかった。

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