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大阪桐蔭西谷浩一監督独占インタビュー
中田翔、西岡剛、西武のおかわりくんも指導してきたけど「藤浪晋太郎先輩たちとここが違った」

2013年02月18日(月) 週刊現代
週刊現代

 甲子園春夏連覇を成し遂げた大阪の野球部は、今春のセンバツも優勝候補の筆頭に挙げられる。ただ、いま日本で一番多く、スカウトが姿を現すグラウンドでも「藤浪は異質だった」と、恩師は明かす。

勉強もすごくできた

 藤浪(晋太郎・阪神)が、すぐにプロで難なく通用するかというと、技術的にはまだまだだと思います。

 でも心配はしていません。

 最近もスポーツ新聞に「藤浪、開幕2戦目に先発か」とか書かれていましたけど、そんなことで自分の実力を勘違いするような子じゃない。いま大きく取り上げられているのが、自分の力じゃないということは、本人が一番よくわかっているはずですから。

 はじめて彼に驚かされたのは、入ってすぐのことでした。ウチの部員には「野球ノート」を毎日書かせるのですが、新入生には必ず、将来の目標を聞くんです。そこで藤浪は、

「一流のプロ野球選手になりたい」

 と書いてきた。

 もちろん、プロにいった子をはじめ、ウチの部員は基本的にみんな野球が好きで向上心も強い。でも、「プロ野球選手になりたい」と目標を立てる子は珍しくないですが、「一流の」と書いたのは藤浪だけです。

 藤浪の能力の高さは、入学当時からわかっていましたが、それこそ中田翔のように1年生の頃から高い評価を得ていたわけではありません。すぐにレギュラーになれたということもない。

 その中で感心したのが、「一流のプロ野球選手」になるために、高校卒業後は東京六大学(リーグ)で4年間頑張りたいと話していたこと。中学校から上がったばかりの野球少年が、そこまで明確に自分の進む道を見据えられるケースもあまりあることではないんです。新鮮でしたよ。

 優勝した昨夏の甲子園では、準決勝で明徳義塾さんに勝った直後にこんなことがありました。勝利者インタビューで、先発完封した藤浪の投球について聞かれ、私は「90点くらいじゃないですか」と答えたんです。

 すると藤浪は、「60点くらいです」と言う。普通、甲子園の準決勝で完封したら、いくら贔屓目を省いても80点はつけていいはずですよ。僕が90点と言ったのも、本心ではほとんど満点ということ。もちろん謙遜もあるでしょうが、目標がはっきりしているから、自己評価もブレない。満足しない。本当に意識が高く、目指しているものが他の高校生とは別次元なんです。

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