「アベノミクスが正しいというわけではない。政権獲得獲得のタイミングが良かったのだ。」

佐藤優「インテリジェンスの教室」Vol.007 読書ノートより

読書ノート(No.14)

◆ジェラルド・L・カーチス
日本の回転ドア政治を打開するには――重要なのは経済だ

(『フォーリン・アフェアーズ・リポート』2013年1月号 56~58頁)

 去年12月16日の総選挙によって、「日本の政治が右傾化した」という見方について、日本政治専門家として国際的に認知されている米国コロンビア大学のジェラルド・カーチス教授の以下の指摘が興味深い。

<選挙結果が、日本の世論が右傾化している証拠として誤って解釈される可能性があるが、実際にはそうではないと私は思う。

 政治家の立場が右へとシフトしているのは事実かもしれないが、そうした保守派は昔から存在する。例えば、戦時に東条政権の商工大臣を務め、戦後は自民党内の中道右派勢力の指導者だった安倍の祖父である岸信介はそうした保守派だった。

 世論はそこまでは右傾化していない。だが、政治家の志向は明らかに右寄りへとシフトしている>・・・・・(以下メルマガでご覧いただけます)

このテーマについて深く知るための「連読」3冊
・民主党『絶対的敗北』に反射する自民党『相対的大勝利』―有権者は何を『選んだ』のか」
 著:柿崎明二 『世界』 2013年2月号
・「日本の政治」 著:京極純一 東京大学出版会 1983年
・「村山富市回想録」 著:薬師寺克行 岩波書店 2012年

読書ノート(No.15)

◆榊原英資『「データ」で読み解く 安倍政権でこうなる!日本経済』アスコム 2013年

 アベノミクスに関する本が、大量に出版されている。榊原英資氏は、冷静な目でアベノミクスを見ている。榊原氏は、アベノミクスの金融政策について、

<私は、やや「安倍バブル」気味の動きだ、という印象を持ちました。なにしろ安倍内閣発足が12年暮れの12月26日で、年内から年初にかけて期待だけが先行しました。しかし、春以降も、本当に円安株高が続くかどうかは、はっきりしません>(9頁)

という留保条件をつけるが、短期的に「うまくいく」と見ている。

それは、アベノミクスが政策的に正しいと言うよりも、政権獲得のタイミングがよかったからだ。・・・・・・(以下メルマガでご覧いただけます)

このテーマについて深く知るための「連読」3冊
・「アメリカは日本経済の復活を知っている」 著:浜田宏一 講談社 2013年
・「資本主義の国家破綻 その下での戦争の危機」 著:鎌倉孝夫 長周新聞社 2011年
・「租税貢納論 他一篇」 著:ペティ (大内兵衛/松川七郎訳) 岩波文庫 1952年
【佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol.007 目次】
―第1部― インテリジェンス・レポート
 ■分析メモ(No.15)「中国海軍軍艦による海上自衛隊護衛艦等に対する火器管制レーダーの照射」
 ■分析メモ(No.16)「日米同盟に亀裂を走らせるF35問題」
―第2部― 読書ノート
 ■「日本の回転ドア政治を打開するには――重要なのは経済だ」
 ■『「データ」で読み解く 安倍政権でこうなる!日本経済』
―第3部― 質疑応答
―第4部― 文化放送「くにまるジャパン」発言録
―第5部― 佐藤優さんの今後の予定(3月初旬まで)